お誘い
(サンドイッチを食べ終える)
(二人は部屋の中で向かい合っている)
「食べている時の君の顔。大好き。サンドイッチ、美味しかった?」
(優しく言葉をかけてくる)
「そう言ってくれると、作って良かったなって思える!」
(美味しいという返事に満足する)
「えへへ、君とおしゃべりしたいと思ってたんだよー。今日は少しおしゃべりしよ? 大学生活には慣れた? 一応は人生の先輩だし、学部とかは違うにしても大学生活について何かアドバイスできるかもよ?」
「ああ、春の息吹とともに、私は社会人となり、君も大学生となった。新社会人と新大学生。私は君を導き支える。新しい関係、私たちの新しい時間の始まり……、なーんてね」
(少し気取った口調になる)
「君程の文才はないけど、ちょっとカッコつけてみた。まあ、大学生活で何かあったら相談してよ」
「ねえ、しつこいようだけど、遊びに来てよー」
(一呼吸おいて、おねだりするように言う)
「私は就職活動と卒業研究、君は大学受験を見事にクリアしたってことで、そのお祝いしたいって、ずっと思ってたんだよー」
「家、近いんだから遊びに来てよー。姉妹3人、首を長くして待ってるよー」
「私たちは家族、そうでしょ? 私がはりきってお料理、4人で一緒にご飯食べるの」
「この1年と少しくらい行き来しにくくて、特に君の方からはあんまり来なくてさ、私、寂しかったんだよー」
(本当に寂しそうに言う)
「そりゃ、私のお家には姉妹3人揃っててそれなりに賑やかだけどさ、なんか味気ないの。あとひとり足りないなーって。ご飯を食べる君の顔、じっくり見たいなーって思ってたんだから」
「次はいつ来てくれるかな? 前みたいに4人で一緒にお出かけできるかな? って、この春も空を見上げながら姉妹3人で話してたんだよー」
「春……。え? あは、あはは……。はい、春にサプライズと称して乗り込んだ時のことは反省しております」
(ツッコミを入れられて気まずそうに笑う)
「大学生になる君にお祝いの特製弁当をお届けしようと意気込んで、君の好物を作って詰めて。君のお母さんにお家に入れてもらったんだけど……」
「何の前触れもなくお部屋にお弁当持った私が突入したら、そりゃ驚くよね。はい、反省しております」
(頭を下げる)
「でも、あの時のお弁当、美味しかったでしょ? うん。それはよかった!」
(頭を上げる。美味しかったという返事に満足して笑う)
「さすがにあんな豪華なお弁当をいつも用意できるわけじゃないけど、また作ってあげたいな。ささやかながら、君の大学生活を支えたい。君の才能を支えたい。応援したい」
(優しい目で見つめる)
「あ、そうそう。クッキーも焼いて来たんだ。バターたっぷり、さくさくクッキー! 一緒に食べようか」
(紙の包みを取り出して開く)
「うん、我ながらいい出来! 美味しい? ねえ、君も美味しい?」
(一緒にクッキーを食べる音)
「昔は4人一緒におやつ食べたよねー。ねえ、また4人で一緒におやつ食べようよー」
(懐かしそうに語っている間にクッキーを食べ終える)
「さて! サンドイッチとクッキーを味わっていただいたところで!」
(元気いっぱいに話題を切り出す)
「今日の大事な用事! 実は今日はね、お誘いに来たの! なんと、この街に物産展がやってきます!」
(スマートフォンを取り出して見せる)
「驚いた? 来週にね、ショッピングモールで物産展があるの! そう、日本中の素敵な食材や食品が集まるの! 4人で出かけようよ!」
(興奮してスマートフォンを見せる)
「ね、いいでしょ? お買い物して日本中の美味しいものを食べるの! 食材は私がお料理する! 来週は私のお家で4人一緒に美味しいもの食べよう!」
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