どこかの誰かのモノローグ

舞島朱里

ひとつめ

小学校のときから、私は3人グループでいることが多かった。小学校も、中学校も、基本的に3人でいた。高校に入り、仲良しの2人と別れてしまった。心機一転して頑張ろう、なんて思ったけれど、意外と難しいってことに気づいてしまった。

「一緒にお昼食べて良い?」と近くの席の子に尋ねてみた。2人で食べていた。いいよ、と言ってくれたので一緒にお弁当を食べた。けれど、どこか寂しく感じた。2人は幼稚園の頃からずっと一緒にいるらしく、喧嘩もほとんどしたことないという。どこか、心がチクリとした。2人と私の話題が合わないのだ。趣味とか好みとかが違う、というだけじゃない。2人とも、どこか私に気を使っていた。私がその2人とお昼を食べたのは、その日だけだ。


ある日、仲良しの子のSNSが更新された。それは、2人で出かけている写真だった。どこか、千切れる音がした。私は近くにあったクッションに向かってスマホを投げ捨てた。誘ってもらえなかった悔しさが込み上げてくる。暇だったのにな、と。

涙がこぼれてきた。


数時間後、その投稿は消されていた。いや、見えないようになったのだろう。

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どこかの誰かのモノローグ 舞島朱里 @syuri-6

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