だい7にゃ・よばれた理由

 今日も爽やかな朝を迎えた。


 黒い猫耳少女には、シャオ。

 金髪メロンお姉ちゃんには、メロン。

 それと、ベットで寝ていた、つるぺた猫耳幼女なんどもいいますがせいじんですを、モモ。

 もう一人の、スイカを二つつけた、猫耳幼女せいじんだよほんとだよには、ミーナ。


 と、それぞれ名前をつけた。ちなみにモモとミーナは双子だ。発育が違うから見分けはつく。


 あ、黒い猫耳少女にシャオって名前付けたのは、僕のマイワイフのお人形さんが見当たらなかったからだ。見た目も似てたしね。……ぼくのヨメが……うぅぅ。




 あぁ、そうだ。今日の僕の一日を紹介しようと思う。


『ヂュンヂュン』と外から小鳥のさえずりが聞こえて起きた僕は、早速お勤めをする。


「ぐふ! うふふふ、ぐっふふふ。はぁはぁはぁ、も、モモちゃーん」


 僕と同じくらいの身長のモモちゃんに抱きつきながら、すりつける。(なにを)


「じゅ、じゅるる、ちゅるるるるるる!」

「にゃぁん、にゃぁん」


「ぐふふふ、ぐっへへへぇ」


 次はミーナたんを抱き寄せて、秘儀『ちゅっぺろ』をする。


「ちゅ……ぺろ」(にや)


 相変わらず僕の息子びっくぼすは反応しないが、頭だけは最高に興奮して沸騰している。


「うっひゃっひゃひゃひゃ!」


 あ~~~~……しあわせ……。


『コンコン』と扉を叩く音が鳴って、メロンお姉ちゃんが入室してきた。


「め、メロンちゃーーん!」


 僕がその、ばぁいんばぁいんなメロンに飛びつくと、メロンお姉ちゃんが抱きとめてくれた、ちょっと強めに。

 その横から、シャオたんが出て来て、僕達を誘導する。


「……ん?」


 そして、馬車にのって、


 巨人の前に来たのである。(白目)


「な、なんでや」

「にゃ」


 シャオたんに杖を渡される。


 杖を受け取る。(涙目)

  ↓

 四人の猫耳たちに見送られる。 ←NEW!

  ↓

 ふぁいあーぼーる(笑)を放つ。

  ↓

 巨人に当たっても効かない。

  ↓

 帰る。 ←今ここ。




「ふぅ、今日も仕事が終わった……」


 異世界へ来て五日目。ガタガタ振動する馬車に乗りながら考える。


 僕がこの世界に来た方法は分からない。だけど、理由は分かった。

 たぶん、あの巨人を倒してもらうために呼ばれたんだろう。


 その時の会話を思い出してみる。


『ねぇ、あの巨人倒さなきゃダメ?』


『にゃ、にゃぁーにゃにゅぁ?』


『僕の魔法見たでしょ? 撃てた事に興奮はしたけど、あの威力じゃ倒せないよ?』


『にゃ? にゃーにゃーにゃににゃ?』


『魔法の事について教えてくれないと戦えないよ?』


『にゃ、にゃにゃー? にゅぁにゃー?』


『昨日も今日も巨人の所に行ったけど、明日も行くの?』


にゃんうん』(にこ)


『……まじ?』


にゃんうん』(にこにこ)


『……』




「どうしてこうなった……」(白目)


「しかも、だんだん、巨人が宮殿に近づいて来てるし……」(震え)


「まずは、魔法の練習しないと。倒せないだろ……」(四つん這い)


 馬車から降りると、今日は宮殿に帰らずに、ジャングルの近くにある空地に行く。

 今日から、魔法の練習をしようと思ったからだ。


「ぼくならできる! で、出来る子だもん! 先生にも言われたもん! やれば出来る子よって!」


 誰にでも言ってると思うがな。(微笑)

 杖を持って、練習台の丸太に向ける。


「むむむむむ! ――さぁ! 集え! 極炎の炎よ! 我の前に居る敵を焼き焦がせ! インフェルノ!」


 杖から、チロチロと、蛇みたいな炎が飛んで、丸太に当たって消える。


「……明日から本気だす。もう、寝よ」


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