第68話 私が帰れる場所はどこにもない
「ちょっと!貴方たちなにをしているの?」
少し遅れてやってきた万桜さんが、そう言った。
目を丸くして驚いている。
「ソラを開放するそうだ」
かみさまが、そっと答えた。
「なにを言っているの?
その子、ジルの部下なのよ?」
万桜さんの言葉に俺はうなずく。
「うん。
知ってるよ」
「本当にいいの?
貴方を殺しにかかるかも知れないわよ?
テオスに戻るかも知れないのよ?」
「そうだね」
万桜さんの言葉に俺は納得した。
「私は……どうすればいい?」
カイが、泣きそうな顔で尋ねる。
「カイは、何がしたいの?」
「わからない。
でも、あそこに……テオスに戻るのは戻るのは嫌だ。
そして、私が帰れる場所は何処にもない」
「じゃ、それが答えだ」
カイの言葉に俺はうなずく。
万桜さんは、呆れた顔で俺の方を見た。
「もう、好きにしなさいな」
「そうだな。
好きにするといい。
昴もカイもな。
自由にするがいい」
かみさまが、そういうとカイが不思議そうに尋ねる。
「自由とは何だ?」
「む?」
カイの言葉にかみさまは、顎に手を当てて考える。
「好きなことをすればいいのよ」
万桜さんが、ため息混じりに答える。
「好きなこと?」
カイが、首を傾げる。
「ああ。
なにをしてもいい。
あ、悪いことはダメだからな」
俺が、そう答えるとカイは俺の方を見る。
「ソラは、何をしていたんだ?」
「ソラは、喫茶店で働いていたぞ」
「ソラが?」
「ああ。
看板娘だった」
「ソラがか?
信じられないな」
カイが俺の言葉を否定する。
「なら、確かめたらどうだ?」
かみさまが、提案を出すと俺はうなずいた。
「そうだな。
ソラが働いていた喫茶店に行ってみるか?」
俺がカイに尋ねる。
「見てみたい」
カイが、小さくうなずいた。
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