ゆがみの娘たち

「わかり合うためにはお互い相手を殺すことができなければいけない。だから私らバケモノと人間はわかり合えない」

　――ためらいなく人を殺せる灰色の髪の少女のつぶやき

「私がこの町の支配者よ！　ヒトに仕事をゆずってやるときもあるけど、この町の支配のためにできることは私が自分でやるの！　落書きを消すことだって！」

　――自分がイチバンと信じてやまないエラそうな少女のつぶやき

「いえのげんかんのまえにゴミをすててるひとって、どういうつもりなんだろね☆」

　――火が全てを焼きつくすさまを何より愛する少女のつぶやき

「水中都市ってすばらしい響きだと思いません？」

　――水が全てを沈めるさまを何より愛する少女のつぶやき

「やっぱヒトの痛みを自分の痛みにするのが一番ワクワクするよな！」

　――人にいじめられるのが大好きでとても我が強い少女のつぶやき

「働かざる者食うべからずって言葉はキライなの。食べることしかできない人だっているんだから」

　――人に料理をふるまうのが好きで人をいじめるのも大好きな少女のつぶやき

「家を建てるために木を切ってる人を『自然を傷つけるな』と襲おうした人がいた。シンリは人間より自然が大事なその人をずっと森に住まわせることにした。しばらくはその人の『家に帰して』っていう悲鳴がうるさかった。シンリは望みどおりにしてあげただけ」

　――人よりも植物を愛し植物になることを心がける少女のつぶやき

「ナイフで刺されたときのギャグはもう２０個ぐらい作っとんねん！　問題はナイフ持ってる子がウチを刺してくれへんねん、頼んでも」

　――どんなときでも人を笑わせようとするおかっぱ頭の少女のつぶやき

「人を殺すのは悪い？　たとえ自分の家族や大切な人を殺した人でも殺してはいけない？　うん、その考えを変えなくてもいいよ。わたしはあなたにできないことをやるだけだから」

　――ためらいなく人を殺せる白い髪の少女のつぶやき