他愛ない日常

他愛ない追いかけっこ


 エーコは殺人鬼を追いかけ、町中を走り回る。

 ヒバナは自称町イチバンのエラそうな少女から逃げ、町中を走り回る。


「待ちなさいこの!」


 二人の足の速さの違いは一目瞭然。まともに追ってもエーコが取り逃がすのは明らか。

 だからエーコは武器を使う。今日の武器はバクダン。

 火薬を詰めた玉から導火線が顔を出す、子供にもわかりやすい形のバクダン。相も変わらずエーコの手作り。ちゃんとサインも入ってる。

 それをひたすらヒバナめがけて放りなげる。町中で! なんのことはないテロではないか! 

 殺人鬼を捕まえるためなら家だの公園だの一つや二つ壊れても構わないとは、まさにエゴイズム! ――と心の底から非難したいところだが、冷静に事実を見てみよう。

 エーコはたくさんのバクダンを投げつけるも、どれもなぜか爆発しない。

 ヒバナに命中すらせず、石畳の上にゴロゴロと転がる。

 導火線に火はついてるのに、火が前に進もうとしない。

 それがエーコが近づいたとたんに、爆発するとは!

 バクダンの爆発が止まらない。エーコは爆発に巻き込まれても走るのを止めない。

 地面に転がるバクダンが、次から次へとドカンとなる。その爆発はヒバナを一切巻き込もうとしない。あまりにも都合のよすぎる展開にヒバナはむしろばつが悪いが、素直につかまる気もないので逃げるのを止めない。

 一番おかしいのはこのバクダン、爆発しても家を壊したり地面やエーコを黒こげにしたりしないのはなぜだろうか。


「バクダンじゃなくてエンマクよ!」


 いきなりエーコが独り言を叫んだ。


「煙で目をくらまして方向感覚を失わせて捕まえるって作戦よ! 自分の支配する町を自分で壊すアホンダラがどこにいるのよ!」


「だれに説明してるんだ」


 それよりも、エーコがこの町を支配しているという事実とかけ離れた言葉を否定するべきなのだが、ヒバナもヒバナでそういう指摘をするようなものの考え方をしていない。

 それに煙を立てるぐらいなら許されるというのも、勝手すぎる考えではないか。

 ヒバナは逃げる。エーコは追いながらエンマクを投げる。地面に転がるエンマクはエーコが近づくと煙をはなつ。

 もくもくと白い煙が立ち込める中を、エーコは目がくらむこともなければ、せきこむこともなくまっすぐ走っているところを見る限り、この作戦エンマクがエーコの思い通りの仕事をしても上手くいかなかったのではなかろうか。


「私はその辺の殺人鬼のようにヤワじゃないのよ!」


「だれに返事したんだ」


 それよりも殺人鬼がヤワだという言葉をどう思うか述べるべきだと思うのだが、どうやらヒバナは何とも思っていないようだ。


 行き止まりにぶつかった。ヒバナは壁を背にエーコと対峙する。


「今度こそ年貢の納め時よ・・・この殺人鬼!」


 腕を組みつつゆっくりと、エーコはヒバナと距離を詰める。

 エンマクはもうなくなったらしい。その代わりなのか、愛用の青いボールをフワフワと宙に浮かせている。いざとなればエーコの思い通りにドカンと爆発させたりといろいろな攻撃ができる。

 追いかけっこのときにこれを使わなかったのは、投げたあと手元に戻したり拾ったりする手間が、足の速い殺人鬼を追うのには致命傷になると判断したからだ。

 何個でも作れるエンマクとちがい、この青いボールは世界に一つしかない。


「この前も・・・その・・・また人を殺したわね!」


「クイズ大会の優勝賞金目当てに殺しあうようなやつだったぞ」


 エーコが口ごもったのは、「何の罪もない」と言おうとしてそれは事実とはちがうと思いなおしたからだ。


「そんなやつ万死に値するとは思うわよ!」


「じゃあ私とお前で考え方にちがいはない。話し合えばわかりあえる」


 ある人間が、町内クイズ大会で1年ぐらいは遊んで暮らせる額の賞金を得た。

 それをめぐって、古くからご近所づきあいをしていた人同士で大変な殺し合いが繰り広げられた。

 殺した人間は二人、殺された人間は三人だった。賞金を得た人間は、殺されたほうに入る。

 そして殺した人間はヒバナに殺された。ありのままの事実である。


「わかりあえない! 私は法の執行者でアンタは血に飢えた殺人鬼! この間には埋めることのできない溝があるわ!」


「自分を法の執行者と名乗るって相当勇気がいるぞ」


 地面をすべるように動いて、エーコはヒバナに急接近した。おでことおでこの間は1ミリもないのではないか。


「勇気があって当然よ。私はこの町でイチバンだから!」


 エーコをからかう言葉を返すつもりのヒバナだったが、エーコの顔のドアップの妙な圧力に言葉が詰まってしまった。


「町イチバンのものとして私には町で起こる事件を解決させ、犯人に法の裁きを下す義務がある。でもその前にアンタが犯人の命を奪う。アンタは正義のためのつもりでも、法の支配下において個人による私刑を許しちゃいけない。アンタはこの町の敵なのはゲンゼンたる事実!」


「まず、私に正義のつもりはない。快楽のためだ」


「アンタ合理的なものの考え方ができないの? こういうときってウソでも自分は正義の味方だ! って主張するもんでしょ?」


「ウソは嫌いでな」


 呆れるエーコに対し、ヒバナはやる気のなさそうな、ぼんやりしていると言っていい調子を崩さない。


「心の奥底までどす黒い悪党! アンタを捕まえて法の裁きを下すことが、私こそがこの町に法の支配をもたらすものと証明する第一歩になるのよ!」


「ムリすんな、自分こそ権力者だの支配者だのと人に認めさせるなんて不毛な努力にしかならん」


「いいえ! 意味のある努力よ!」


 その意味のある努力がヒバナを捕まえることとは。合理的なものの考え方を持つがゆえの行動のようだ。


「ンガアアア!」


 とけたたましい叫びをあげてエーコはヒバナを捕まえようと両腕を振り下ろした。

 かわされた。ヒバナは逃げた。エーコの目の前からヒバナは消えた。

 どこを探すべきか、すでに何度もヒバナの相手をして覚えたエーコは迷わず上を見る。

 ヒバナはいない。

 塀の上や建物の屋根、屋上を目をこらしてざっと見まわすがヒバナはいない。

 

「たまには同じ目線でものを見るのも大切だ」


 後ろからの声に、エーコは飛び上がってしまった。頭に着けてる王冠が、一瞬浮いた。


「逃がさない!」


 すぐに落ち着き、青いボールを手に乗せる。背後のヒバナを狙って叩きつけようとする。

 かわされた。

 ヒバナはちょっと後ろに下がっただけ。

 エーコは大きくバランスを崩して、前のめりにすっころんだ。


「大丈夫か」


 ヒバナはちょっと前かがみになって、エーコに声をかける。手を差し伸べようとはしない。声も心配する気持ちはひとかけらもなさそうだ。


「ウキイイイイ!」


 やかましい叫びを上げて立ち上がるエーコ――バネがぼよよんと伸び縮みするさまを連想させる動きだ――にヒバナはのけぞった。


「わかんない! アンタ本当にわかんないわ!」


「なにがだよ」


「アンタなんで私を殺そうとしないのよ!」


 わめきながら指をさされて、ヒバナは黙りこくった。


「今までアンタが殺してきたやつらにしたように、なんでナイフを握って私を切り裂こうとしないのよ!」


 腕をぶんぶん振りながらわめき散らす姿は、ただをこねる子供そのもの。

 ヒバナは何も答えない。


「なんでよ! ねえなんでよ!? 私が怖いの!? 私を殺そうとしても返り討ちにあうとでも思ってるの!? しょせん殺人鬼は抵抗しない無力な相手しか殺せないってコト!?」


 甘やかされて育ったお嬢様のヒステリーのような大声を浴びせられても、ヒバナは何も言おうとしない。


「アンタがわたしと戦わずに背中を見せて逃げるだけのせいで、町中をエンマクばらまきながら走り回るなんて面倒なことしなくちゃいけなくなるのよ! もういいかげんにしてそんなこと! 私と戦いなさい! 私を殺そうとしてみなさい! 言っておくけど、この私に殺されることへの恐怖なんかひとっかけらもないわ! アンタはちがうかもしれないけど!」


「・・・ひとつ聞かせてくれ」


 ようやくヒバナはしゃべりだすが、さっきの会話と比べて声が小さい。


「殺されるのが怖くないってのは、死んでも何度も生き返られるからか?」


「はあ? そんなこと関係ないわよ。たとえ人間と同じように一度死んだら終わりの命であっても、私の言うこともやることも変わんないわよ」


 堂々とした、ふてぶてしい態度のエーコのさらっとした言葉にヒバナはどうも、腰が引けてるように見える。


「・・・なぜそんなことが言える」

 

「それは・・・私はイチバンだからよ!!」


 エーコは質問に対して最高の答えを提供したつもりでいる。


「まあ死んだことなら何度もあるけど」


「なに?」


 さらっと、「リンゴは果物」ぐらいの当たり前なことを言ったつもりのエーコに、ヒバナはとまどった。


「アンタと同じように町の平和を乱すあのバケモノども、そいつらを排除するのも町イチバンたる私の役目だからね。まあ、それであんまり言いたくないけど、イチバンたるもの現実から目をそらしちゃいけないから言うけど、結構負けることもあるのよ。物騒な刃物で切られたりとか、火で・・・」


「詳細はいい」


「ああそう。まあバケモノどもに何度も殺されたわ。殺されたときの記憶もバッチリ残っている」


「怖いだろ」


「アンタ私の話聞いてないの? 怖くなんかないって言ってるでしょうが! バケモノに負けたら死ぬ。そんなの当たり前のこと。大切なのは死を恐れることなく大志を抱き続けること。この世でイチバンのエーコは死ごときで心が折れることはないのよ。たとえ死を何度も何度も、100万回味わっても私はイチバンであり続けると断言できるわ」


 フンとふんぞり返り、ふてぶてしい態度のエーコを見て、ヒバナの心にある光景が浮かび上がっていた。

 白い長髪の少女が刀を振り上げ、エーコを斬ろうととするも、エーコは全く恐れることなく白い歯を見せて笑っていたあのとき。


「なんなのよアンタ・・・なんなのよその目は?」


 目? エーコの妙な指摘にヒバナはうろたえる。


「憐れむというか、今にも涙が出そうな・・・なんなのアンタ? 殺人鬼のクセになんでそんな顔になるのよ、なんで私を見てそんな表情になるのよ」


 ヒバナはきびすを返し、そのまま逃げた。


「待ちなさいよ! 私を殺してみろって言ってんでしょーが!」


 後を追って走りながら叫ぶエーコに対し、ヒバナは


「殺人鬼だってやる気が失せるときはある!」


 と返事。余裕のなさがまるわかりの声の裏返りようだ。

 ヒバナはエーコを大きく突き放し、完ぷなきまでに逃げ切った。

 一人ぽつんと取り残されたエーコは気づいた。

 さっきのエンマクが飛び交う追いかけっこのとき、ヒバナは追いかけっこが成立するようエーコに合わせてスピードを緩めていたという事実に。


「あの殺人鬼! 私のことをオモチャにして! 許せない絶対捕まえてやるんだからー!!」


 へたり込んで大声で叫ぶエーコは、通りがかった町の住民の視線を一転に集めるのに一番であった。

 なにかの建物の屋上、ヒバナはそこに立っていた。もちろん階段など使わずジャンプして飛び乗った。当然、建物の所有者にも無許可だ。

 ヒバナは左手に何かを持っている。ナイフではない。

 手鏡だ。ヒバナは鏡に映る自分の顔を見る。

 エーコが言っていた、泣きそうな顔はしていない。全力で走って疲れている顔だ。

 ヒバナには決して人には見せまいと思っている表情がある。だがヒバナは気を抜くとその表情をしてしまう、ヒバナに言わせれば忌々しいクセがあるらしい。

 悲しそうな顔をするまいと朝起きたら鏡を見つめるのを習慣にしていたが、それだけでは努力不足と気づいたヒバナは手鏡を常に持ち歩くようにした。

 古ぼけてやや曇っているが、鏡なんぞ自分の顔さえ見れればそれで機能を果たしているとヒバナは主張する。

 鏡にインネンをつけるかのようににらみつける。ヒバナの理想の表情を作る。


「おし、血も涙もない殺人鬼の顔」

 

 目つきの鋭い常に怒っているようなきつい顔。これに余裕の笑みを浮かべればヒバナにとって百点満点の顔になる。

 ヒバナは努力したが、顔が言うことを聞かない、作り笑いすら拒む。

 手鏡を服のポケットにしまってため息をついた。

 いらだちとかあざけりとかあきらめとか、いろんな気持ちがごちゃ混ぜになったため息だ。


 

他愛ない会話


 これは物語でも何でもないただの雑談なので、上から目線の余計な語りを一切はさまないことをこの語り手から事前に明言しておこう。

 それでは。


「あっ、ヒーちゃん! なにしてんのー?」


「ワカナちゃん? わたしを呼んだの?」


「うん、ヒガンちゃんやからヒーちゃんやけど、このあだ名ダメ?」


「ダメじゃないけど、ヒバナとごっちゃにならない?」


「大丈夫やってもうハナちゃんって呼んどるから」


「ワカナちゃんは大丈夫でも、ヒバナがカン違いするかもしれないよ。自分のあだ名だと」


「ソレはないソレはない。ああでも怒ってナイフ飛ばして殺そうとするかも」


「ヒバナはそんなことでワカナちゃんを殺そうとはしないよ」


「ウチは殺してほしいんやけどなあ」


「ワカナちゃん、自分が何言ってるかわかってる?」


「えっ? おもろない? ウチがハナちゃんをいじって、殺されるって流れのギャグ。ウチとハナちゃんのお約束にしたいって思ってるんやけど」


「おもしろくない」


「ヒーちゃん笑顔から無表情に変わるの早すぎやわ」


「だって笑って聞く話じゃないもの」


「ヒーちゃんさっきからウチの心めっちゃグサグサ刺されてるわ」


「ごめんね」


「いや謝られてもそれはそれでって話なんやけど・・・話変えよ! 最近なんかおもろいことあった?」


「おもしろいことはないよ。ワカナちゃんは?」


「ウチはせやな~・・・こないだ町内クイズ大会ってのあったから参加したんやけど、ウチそこでもコメディエンヌとしてやるべきことをやったったで」


「やるべきこと?」


「クイズに全部ボケで答えたったんや! コメディエンヌはクイズで正解したら負けやからな! たとえ優勝したらめっちゃすごい賞金がもらえるとしてもや! コメディエンヌは金か笑いかなら笑いをとらなアカンねや!」


「それで笑いはとれたの?」


「コメディエンヌは現実から目をそらしたらアカンから言うけど、全部スベッた」


「滑った? 頭打たなかった?」


「ちゃうちゃう、スベったてのはウチらの業界ではギャグがウケへんかったってことや。ヤケドするとも言うで」


「そうなの」


「うん見事にダダすべりや。なんでやろな~『昔話のみにくいアヒルの子、姿のちがうアヒルの子の正体はなんだったでしょう』でウチの答え『見やすいアヒルの子!』大爆笑とまではいかんでも、そこそこウケると思ったんやけどなあ。そのあと『おいしいアヒルの子!』とか『雄々しいアヒルの子!』『女々しいアヒルの子!』って重ねていったんやけど、まあ雰囲気は最悪やったわ! こいつなにふざけてんだって観客の威圧感がハンパなかったわ」


「大変だったね」


「まあ結局ポーンって追い出されてウチのクイズに賭ける青春は終わったわ。優勝した人今なにしてんのかなー。めっちゃ物知りな人で普通にすごかったなあ。賞金で何買うたんやろ」


「殺されたよその人」


「・・・え?」


「賞金をめぐって、仲が良かった人たちと争いになったあげく殺し合いになったの」


「まさかの展開にも程があるわ・・・」


「やるべきことはやったからもう大丈夫だけど」


「やるべきこと?」


「その人を殺した人は私が殺した」


「ヒーちゃん」


「なに? ワカナちゃん」


「いろいろ言いたいことはあるけど、この町にまともな法律がない以上ウチがエラそうにどーたらいう権利はないからなんも言わんけど、その話ハナちゃんにしたらアカンよ」


「ヒバナも知ってるよ。だってヒバナもそのとき殺したから。人を殺した人を」


「・・・二人で一人を?」


「殺した人は二人だった」


「そうなんや」


「でもなんで、ヒバナに話したらダメなんて言うの?」


「ほら・・・アレや・・・ハナちゃん、自分が人を殺すのは平気やけど、ヒーちゃんが人を殺すのはすっごく嫌みたいやから」


「それは知ってる。でもわたしは人を殺すのをやめるわけにはいかない。町の人を守ることとは、町の人を傷つける人を殺すという意味だから」


「またハナちゃんが町中で気を失ってヒーちゃんにお姫様抱っこされて家まで送られるんか・・・」


「ヒバナをほっとくなんてできないもの」


「ちょっと話ズレとんでヒーちゃん。まあええわ・・・けどアレやでヒーちゃん・・・」


「どれ?」


「なんていうかその・・・あんまハナちゃんを・・・その・・・困らせんといて?」


「ヒバナを困らせたくないのはそうだけど・・・だからといって町の人を守るのをやめるのもおかしな話だよ。ヒバナだってこの町の人なんだから」


「でもヒーちゃんがなんか活躍してる話を聞くたびにハナちゃん・・・アセロラジュースの量、増えてまうんやで!?」

 

「・・・・・・どういう意味?」


「ごめん聞き流して。うん、ウチやっと気づいた。ハナちゃんと同じでヒーちゃんを止めることはうちにはムリや」


「わたしは止まるわけにはいかないから」


「せやね。あれ、そういえばクイズの賞金めぐっての殺し合いのときはハナちゃん気絶せえへんかった?」


「しなかった。わたしが人を殺したのを見てもちゃんと目を覚ましていられてたよ。ヒバナは強くなってるから」


「へえ・・・なんかこの間家に帰ってきたハナちゃん、えらく苦しそうにしててウチに目もくれずベッドに倒れこんでそのまま眠ってしもたけど」


「ヒバナは強いからすぐ元気になるよ」


「まあ確かに。今日も朝目覚めて鏡とにらめっこすんのを忘れてへんかったわ」


「ヒバナは身だしなみをちゃんとするから、とってもきれいなんだ」


「・・・・・・」


「どうしたのワカナちゃん?」


「ヒーちゃん、ハナちゃんのこと好き?」


「うん、わたしヒバナのこと大好きだよ」


「満面の笑顔やねヒーちゃん」


「ヒバナのことを思うと心がとても温かくなるから」


「その笑い、ウチがギャグかましたときにも欲しいなあ」


「じゃあ今度からワカナちゃんが何か言ったら笑うようにするね」


「それは作り笑いっちゅうもんやからホンマにやめて」

 

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