※【小学生編】第1章 昭和末期への転移と、歪んだ世界
第10話「崩れ落ちた世界と、消えた未来」までのレビューです。
単なる都合の良い過去への回帰ではありません。
目覚めた昭和63年の自室には、知るはずのない姉が微笑み、いるはずの実弟の姿はどこにもありません。
そこは歴史の糸が根本から解きほぐされた、見知らぬパラレルワールドでした。
本作の素晴らしい魅力は、いわゆる「やり直しもの」の甘美な万能感を打ち砕く、痛切な導入にあります。
要領の良さで築き上げた家庭を持つ49歳の主人公。
しかし世界の歪みを冷静に分析すればするほど、愛する妻や二人の我が子がいる未来へは二度と戻れないという残酷な現実に直面します。
布団を被り、声を押し殺して前世の宝物を想い慟哭する姿には、胸が締めつけられるような哀愁と深い愛情が滲み出ています。
鮮やかに蘇る昭和末期の情景と、容赦のない世界の歪み。
大人の精神を宿した少年の瞳を通して描かれるのは、甘さだけではないビタースイートな青春の輪郭です。
絶望の底を打った男が、歪んだ運命とどう向き合い、新たな日常をどう生き直していくのか……読む者の心を激しく揺さぶる、確かな筆力に裏打ちされた大人のための再起の物語として、心よりお薦めいたします。
「あの頃に戻りたい」
「もしも学生時代に戻れたら」
そんな夢物語を居酒屋で酔っ払いながら仲間と駄弁ってきたこともありました。
けれど、もしも過去に戻れた時、
「あの頃」が知ってる「あの頃」じゃなかったら……?
主人公がかつて生きてきたはずなのに、知らない日常。
あれも違う、ここも違う。
違和感だらけなのに……
なんだってこんなに“異常の説明ができる”世界なんだ……!
ただの不思議なストーリーで終わらない。
すべての「違う」にはちゃんと理由があったんです。
新しい「あの頃」に困惑し翻弄される主人公と共に、
読者の胸は何度も締め付けられる。
面白い! 面白すぎます!
見たことのない切り口で展開される、新しいタイムリープ作品です。
昭和・平成を知る人にもオススメです🎶(なつかしいよ!)
毎日コツコツと読み進み、ようやく最新話まで追いつきました。
面白いからこそ読み続けられる。素晴らしい作品です。
人生をもう一度歩み直す話ではあるのですが、単純に昔に戻ってやり直すという感じではなく、一度生きた時間や記憶を抱えたまま新しい日々を過ごしていく物語。
昭和・平成の空気や学校生活にはどこか懐かしさがあって、その中に、大人として長く生きてきた主人公ならではの感覚が混ざっています。
ただ懐かしい時代をもう一度楽しむだけではなく、「一度目の人生を知っている人が、同じようで少し違う世界をどう生きるのか」というところに、この作品ならではの味があるように思います。
過去をなかったことにして新しい人生を始めるのではなく、これまで大切にしてきたものを胸に残したまま、今そばにいる人たちとの関係も築いていく。
そのため、二度目の青春の楽しさの中にも、少し切なさがずっと残っています。
それと、未来を知っている主人公が何でもうまく解決していく話ではなく、人との関わりの中で主人公自身も少しずつ変わっていくところも良い。
昭和・平成の懐かしさ、二度目の青春、前の人生への想い、そして今いる世界への小さな違和感。
それがいくつかが重なっていて、ただのタイムリープものではない独特の読後感が残る作品でです。
「ギギギ……! 49年もの長い間、昭和と平成の荒波を地這うように生き抜いてきた男の魂じゃ!!」
月の輪先生が魂を込めて描く、『夢の終わりの、その先で』!!
戦争や激動の時代を泥すする思いで生き抜き、前世で抱え込んだ傷や無念……。そんなもん、普通なら悔やんでも悔やみきれん『夢の終わり』の絶望じゃ!
だが、この主人公は違ったで!!
胸に刻んだ前世の記憶をただの悔やみ事にせず、あたたかい絆に変えて、諦めそうになる少女たちの手をガッチリと掴み取ったんじゃ!
「わしらは絶対に諦めんぞ! 踏まれても踏まれても青い芽を伸ばす麦のように、何度でも立ち上がって生きてやるんじゃ!!」
一度は絶望に叩き落とされた人生でも、前世の痛みを抱きしめて支え合えば、こんなにもあたたかく、力強い『二度目の青春』が芽吹くんだということを教えてくれる!
過酷な時代を生き抜いた男の底力と、少女たちを救い出す熱い絆の物語!
ええか、お前らもこの泥臭くもあたたかい奇跡の軌跡を、目ん玉ひんむいてしっかりと見届けるんじゃ!!
要領良く人生をこなしてきた中年男性が突然小学生時代に逆行する所から始まる、SF要素のある青春物語です。
そこに広がっていたのは、彼の知る過去とはほんの少しだけ『ズレた』世界線。
ただでさえ要領の良い主人公はこの超常現象に戸惑いながらも、小学五年生としてはスマート過ぎる立ち回りを見せ、当然モテまくりの薔薇色やり直し人生を謳歌する…
のかと思いきやこの作品、物語のそこかしこに不穏さと哀愁が漂うのです。
彼にとってはタイムリープ前の人生もまたかけがえのないもの。
存在ごと消えてしまった家族に思いを馳せ、一方で世界の『ズレ』から生じた新たな幸福と誠実に向き合おうとする主人公には、確かな実存感を覚えます。
散りばめられた謎と青春を堪能出来る重層的な構成は一読の価値あり。ビタースイートな大人風味のタイムリープストーリー、おすすめです。
ある日突然、人生をやり直すことになった主人公。
前の人生で得た知識や経験があるぶん、子どもの頃よりもうまく振る舞えることは多い。
けれど、この物語は「未来を知っているから全部うまくいく」という話ではありません。
前の人生では「やり直せたら」と思うことがあったのに、いざ本当にやり直してみると、今度は前の人生への未練が残る。
しかも、戻ってきた世界は、自分の記憶とどこか少し違っている。
本当にここは、自分が知っていた世界なのか。
……いや、違う。
目の前にある、古くて新しい現実に戸惑いながら、それでも少しずつ今の人生に慣れていく主人公の姿が印象的です。
人生のやり直しは、単なる「強くてニューゲーム」だけじゃない。
失ってしまったものへの思いも、新しい人生への戸惑いも、そのまま抱えて生き直していく。
この先、主人公が二度目の人生をどう受け入れ、どんな人生にしていくのか。
続きが楽しみです。
49歳の主人公が目覚めたのは、昭和63年、小学生だった頃の自分。
懐かしい町並みや学校生活にはノスタルジックな楽しさがある一方で、そこには自分の記憶とは決定的に違うものがありました。
存在するはずのない姉。
そして、いるはずの弟がいない――。
少しずつ浮かび上がる世界の違和感に、先を確かめたくなる不気味さがあります。
そして心に残るのが、要領よく生きてきたと自認する主人公の、失って初めてあふれ出す家族への思い。
**懐かしさだけでは終わらない二度目の人生。
失った未来を胸に、この世界でもう一度人生を歩き始める主人公。その先を見届けたくなる物語です。
49歳の神楽蓮(かぐら れん)が突如として昭和63年の小学生時代へ。
インパクトのある冒頭から引き込まれました。
要領よく生きてきた主人公の冷めた自己分析や、家族への思いといったリアリティのある心理描写が魅力的です。
それだけに、「存在するはずのない姉」と「消えた弟」という決定的な違和感が浮き彫りになる展開には不気味さとサスペンスを感じました。
単なる「過去のやり直し」にとどまらない、パラレルワールドや世界の歪みを予感させる不穏な空気が漂っており、この先にどんな謎や展開が待ち受けているのか気になる構成が素晴らしいと思います。
まだ序盤を拝読したうえでの感想となりますが、ノスタルジックな空気も漂うミステリアスな世界はクセになります。
サスペンスとSFミステリーの要素が彩る物語をぜひお楽しみください。