鐵騎や鋲という兵器の存在にまず心をつかまれました。
強くて格好いいはずの鉄の騎士たちが、読み進めるほどに、ただの憧れでは済まない重さを帯びて見えてきます。特にシェロくんはまだ幼くて、強い騎士や大きな鐵騎に胸を躍らせるところが可愛いです。でもその目の前に、避難民や負傷兵、雨の中で動く無骨な兵機が現れて、憧れだけでは済まない現実が少しずつ迫ってきます。そこがとても丁寧で、印象に残りました。ジノーンのような巨大な存在も格好いいのですが、泥の中で地味に動く敵の兵機にも妙な説得力があって、戦場が絵ではなく「仕組み」として見えてくるのが面白いです。
怖いのに、先が知りたくなる。シェロくんと一緒に、自分も少し賢くなってしまうような作品でした。