絵をやめると決めたカズキと、いつもそばにいた「彼女」。二人の会話がとても自然で、本当に仲のよい恋人同士のように感じられました。だからこそ、先生には彼女が見えていないことや、最後に手がすり抜ける場面が切なく心に残ります。海の青や夕焼け、ホタルイカの光など、色を使った描写もきれいでした。好きなものを手放そうとした少年が、最後には自分の人生を自分で選ぶ。タイトルの意味まで気持ちよく伝わってくる、優しく背中を押してくれる物語です。