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概要
心の穴に
商店街の奥にある小さなドーナツ屋には、棚に並ばない幻のドーナツがあるという噂があった。その名は「はるまげどーなっつ」。ある日、長年一緒に暮らした犬のシロを亡くした少女は、翌朝気づけばその店の前に立っていた。棚の端に、見たことのない黒くいびつなドーナツがひとつだけ置かれている。「終わりの日だからね」とおばあさんは言った。少女はシロとよく訪れた公園のベンチでそれを食べる。涙とともに、元気だったころのシロの幻が見えた。甘さはやがて少しだけ苦くなり、静かな公園だけが残った。
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