概要
ひぐらしの止んだしずけさ まだ鳴っているのはたぶんわたしのほうだ
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- ★★★ Excellent!!!小さな発見を掬い取る秀逸短歌集
「ひぐらし」というタイトルにふさわしい、
やわらかな口語体が印象的な、
日常の小さな気づきを詠んだ短歌10首です。
金魚の袋、桃、窓、扇風機など、
夏を感じさせるモチーフを織り込みながら、
作中主体の心の揺れが静かな詩情として立ちのぼります。
6首目。
肩さきの日焼けの皮をめくるたびあらわれる知らないひとの肌
一見、何でもない1首のようですが、
日焼けの皮をめくると現れる皮膚を、
「知らないひとの肌」と捉える鋭敏な感性に、
目を見張りました。
読み進めるにつれて、
自己と他者の境界が少しずつ揺らいでいくようで、
自己に他者を感じながら他者に自己を感じる、
危うい抒情性が魅力的な短歌…続きを読む