仕事終わりの20時から翌朝までの、
ありふれているけれど、かけがえのない日常が、
抑制の利いた筆致で描かれています。
キャベツ、豆苗、トマト、味噌うーメン、
身近な素材を丁寧に詠んでいて、
親しみを覚える作品です。
5首目。
半額のシールに群れる手が触れて透ける静脈割引ですか
半額シールの歌はたくさんありますが、
そこに群れる手の中に、
透ける静脈を発見した歌は初めて見ました。
生活の淡い切なさが胸を打ちます。
タイトルの「抜け殻を拾う」に、
日頃の疲労感や虚無感が漂うものの、
それでも最後の歌では、
ロッカーに名札をつけて出勤する今朝が詠まれていて、
日々を生きていく気配が立ちのぼります。
「晩餐」を軸に、
等身大の日常が描かれた、
余韻と余情が尾を引く短歌集になっています。
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