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    【《阿呆》】への応援コメント

     拝読しました。
     まずお聞きしたいんですが、似たような体験をされていて、それが元になっていたりします?
     というのもわたくし、この小説の【乖離】を経験したことがあると記憶していまして、しかも【抹消】も。非常に些細なものですが、ある本の記述が自分の記憶では「確かにAだった」はずなのに、読み返してみると「Bに化けている」というものです。そしてその瞬間は「勘違いではない。たしかにAだったはずだ」という確信があったのですが元のAが何だったか次第に曖昧になっていき、気がつくと「元々Bだった」という認識に変わっているという。ただ、この小説の【乖離】【抹消】があったという違和感だけは残っています。
     もっとも酩酊して頭がやられている状態で読んだ本だったような気もしていて、単に酔っ払って脳がバグっただけかもしれませんが(笑)。でも、もしかして「酔っていた」ということ自体も認識改変の一部かもしれず……。

     さて、それはさておき、非常に面白いホラーであり不条理文学だったと思います。
     その上で、わたしがそれこそ阿呆なんでわかっていないことがありまして、教えて欲しいのが《》と【】の意味です。【】の方はまだわかりやすく(間違ってなければ)、自分の外、世界の側からやってくる仕組みの語を指すものだと理解しています。自分の認識と現実との【乖離】も、違和感を抹消するための記憶(認識)改変である【抹消】も外から来るものです。終盤、「私」が「【私】」と表記が変わるのも、まさに世界の側が「思考する主体である私」自体も改変しようとしていることの表れで、自身の《阿呆》の原因究明を目指し分析的に思考していた「私」が「【私】」になってしまい、《阿呆》にも【】がついてしまう。世界は異物の存在を許さず取り込み混じり合わせ、主人公はもはや《阿呆》に関して追求することはできなくなったというオチかと。
     しかし《》をどう考えればいいのか。《八代先生》《えも先》の例はわかりやすく、主人公の認識と現実との【乖離】が起きている事物をマークするものかと思いました。よってタイトルでありテーマの《阿呆》も、主人公の認識と現実との間にズレがあり、そこを手がかりに自分に何が起きているか、を分析する話だと。途中で自分すら《自分》となり、これが私だという認識が現実とずれてしまう。しかし自分とは何だと考える主体=私は存在するので、自分すら変異してしまうというグロテスクな事象にも対処している(しかし終盤では……)。《》記号が効いています。《民俗学》《言語論》が出てきたときにちょっと違和感がありましたが、この二つは入れ替わっているのでまあアリかなと思ったのです。しかし、《認識》《仮説》《事実》《個》《すり替え》までにも《》が付いていたため、最早わからなくなってしまいました。《》はどういうルールで付けられているんでしょうか?

    作者からの返信

    完読、感想&質問ありがとうございます!!

     まず、【乖離】と【抹消】についてですが、執筆時において、私自身はこれと全く同じような経験をしたという認識はありませんでした。要するに、【乖離】と【抹消】の仕組み自体について、自分の体験を元にして書いてはいないです。
     ふとしたことから「記憶がなくなる、いや改変される文章を書いてみたらどうだろう?」と考えて整合性を考慮しながら書いた物語ですので、正直体験者様がいると知った今、驚愕の念を隠し得ません笑
     ただ、言われてみれば、以前に『このような描写をした漫画の絵を見た』と思っていたはずが、後から見返してみると「その場面がない」ことはあったような気がします。私はあの場面をどこで見たと感じたのだろうと。多分小学生くらいに感じた違和感だったと記憶しているので、お酒の力も借りていないはずですし……
     実質的に元にしたわけじゃないかもしれませんが、そういう細かな記憶が無意識のうちに私の思考回路に混入している可能性はありますね。

     そして、記号のルールについてですね。こちらはカクヨム内外含め初めて読者の方に気がついていただけた内容で、まずはそのことに感謝の気持ちを述べさせてください。
     本作品では、ご質問いただいた【】と《》に加え、『』、「」、“”という五つのカギカッコを使用しています。
     それぞれ、執筆時の認識としては、
    【】は【乖離】と【抹消】の事象そのものに関わる重要語句
    《》は【乖離】と【抹消】の対象となる物事の認識
    『』は過去のセリフ
    「」は現在のセリフ
    “”はただの強調
    と言ったように使い分けていたつもりでした。
     《民俗学》《言語論》もまさに【乖離】と【抹消】の対象として《》がついているかんじです。要するにご推察の通りです。
     ただ、【】に関しましては、アオノソラ様の【】の認識の方がなんだか整合性がうまくつくように思えます。
     終盤の【私】の表記は、それこそ【乖離】と【抹消】に取り込まれてしまったことにより、【世界】と【私】の融合という【乖離】と【抹消】の本質(なのかどうかは正直作者自身も判断しかねるのですが)に迫るものとして取り入れたつもり、だったんじゃないかなと思います。しかし、私の分類を採用するならば《》のほうが適切ではないかとも言えそうで……
     でも、感覚的に《私》や《世界》では、最終場面は覇気が足りないんですよね。なんだか違う、やはり【私】でないとおかしいと、そう思ってしまうんです。

     この語り口調からも察されてしまうと思うのですが、実は私自身も【乖離】と【抹消】について、本当は何を目的として行われたものなのか、どんな仕組みで働いているものなのか、明確にはわからない状態で執筆していたんですよね。淪と一緒に研究する気持ちで執筆していたといいますか。
     もはや読者の皆様の感じた認識にお任せする、なんならこの場で現在行っているような対話を用いて、読者の皆様とその実態を解き明かしていくくらいの気持ちでおりまして。考察を深めてもらえれば深めてもらえるほどいい作品になって欲しいなという思いです。
     作者としてなんと怠惰な執筆姿勢だと思われるかもしれませんが、逆に人間の脳で完全に理解し得ることだけを対象に物語を執筆しても、その広がりや深みに限界がありますし、また読者の皆様に思考していただくことで、読後にも作品を楽しんでいただければとも思っておりまして。半分本心半分言い訳です。

     色々書いていたらめちゃめちゃ長文になってしまいました。申し訳ありません。余分なこともたくさん書いてしまいましたね。
     私としても【《阿呆》】という作品に再度向き合う機会になりました。鋭い指摘ありがとうございました!!

    編集済
  • 【《阿呆》】への応援コメント

    自主企画にご参加いただき、ありがとうございました。^^
    文章がとても落ち着いていて、淡々とした語り口が作品全体の雰囲気を支えているように感じました。
    心理描写の静けさも独特で、“異常が日常に溶け込んでいく”ような不思議な空気がありますね。
    特に終盤の【私】【世界】などの概念が畳み掛けられる場面は、スピード感と焦燥感が一気に高まり、作者さんの筆圧が最も強く感じられるところでした。
    (おそらく、ここが一番書きたかった場面では?)

    気になった点としては、主人公が置かれている状況がとても複雑であるため、読者が理解するための“足場”が少し弱く感じられるところです。
    冒頭の八代先生と江本先生の場面なども、会話から情報を拾い集めないと読者が状況がつかみにくく、読み手によっては戸惑いが生まれるかもしれません。

    また、主人公の心の内については丁寧に”説明”されていますが、その時々の『つらい』とか『怖い』といった“感情の揺れ”がもう少し見えると、読者が主人公の置かれた状況に寄り添いやすくなるのではと思いました。

    熱はとても感じるお話ですので、読者への分かりやすさをほんの少し意識すると、さらに魅力が伝わる作品になると感じました。

    作者からの返信

    自主企画の開催、そして完読&感想ありがとうございます!
    ご意見もめちゃめちゃ助かります!!

    確かに、この作品は、《阿呆》らしくない主人公として描く部分を意識しすぎて、一定数の読者にとっては格調高すぎるわかりにくい文章になってしまっているかもしれません。現在、【乖離】と【抹消】の事例は3つ用意しているのですが、もう少し事例を増やしてみればわかりやすくなりますかね…?
    心情描写については、私の文体そのものが感情をあまり明確に示さず、婉曲的な表現に落とし込むものですので、文章の淡白さと組み合わさって極度に薄く感じられたのかもしれません。もっと明確に示した方が良いでしょうか…?自分でも試行錯誤してみます!

    改めまして、ご意見ご感想ありがとうございました!!

  • 【《阿呆》】への応援コメント

    面白かったです!
    読み始めたら熱中してしまいました。

    地の文が詩的で、情報開示も絶妙ですっごく楽しかったです。

    最後の方の結論を考えると
    最初のテストも……とふと思いました。

    応援してます

    作者からの返信

    完読&感想ありがとうございます!!
    楽しんでいただけたようで何よりです!
    確かに、課題にも影響は及ぼしてる可能性はありますね!そこは私にとっても淪にとっても未知の領域ですから、ご想像にお任せします☺️

    編集済
  • 【《阿呆》】への応援コメント

    ミステリ?SF?ホラー?哲学文学?認識ループもの?
    いろいろ想像の広がる内容でした。謎が残る余韻がありますね。

    作者からの返信

    感想ありがとうございます!!
    色々考えるきっかけになれたのなら幸いです☺️