俺は先日――本当に偶然にも、タテゴトカイメンと接触した。
それが彼女?の命を助けたらしく、人に変化して押しかけ女房になった。
濃すぎるキャラクター性、意外な恩返しの方法。そして物語は壮大なテーマへと突き進んでゆく――
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鶴の恩返しの亜種は多々あるが、良い作品の条件は、その生き物でなければならない理由があるかである。
元ネタの鶴にしても、神聖なイメージ、美しい羽根による織物の説得力など、他の鳥では困る理由がきちんと存在している。
本作もまた、タテゴトカイメンがタテゴトカイメンでなければならない理由が盛り込まれている。
こういった異類婚類譚は、お互いの価値観の相違にドギマギする点も魅力の一つだが、こちらもまた押さえられている。
読者としてはやはりヒトの目線から人外を見ることになるわけだが、人外の目線から見たヒトという新たな視点が、不思議な面白さを与える一作であった。