異世界道中
らかい
Scene.1
ヒュゥーー…
入道雲が広がる空、眼下には青々とした大地が見える。それから紅い鱗をした飛龍、一国とも肩を並べそうな巨体がその空を我が物のように飛んでいる。
バソンッ、バソンッ
それだけで場を威圧する様な羽ばたく音が響く中、別の…生き物とは思えない音が近づく。
ブロロロロロ…
飛龍とは比べ物にならない程小さい飛行機械が二機、飛竜に接近する。
「見ろよ、飛竜だ。しかもあの色、紅竜だぜ」
「かなりでかいな、二百年は生きてるんじゃないか」
二機は飛竜と並走するように斜め上方につく。
「こいつをやれば勲章間違いなしだぞ」
「待て。国に向かってる訳でもないのに無闇に仕掛けるな。第一、この機体で何が――」
前方の一機を置いてバンクする後方の一機。
「怪物退治の手柄は俺が貰うぜ!」
その時。
クワッ!
口を開き炎を吐く紅竜。
『アーストレア新聞(朝刊)』
〈我が空兵哨戒部隊、アレア街道付近で飛竜と遭遇。一機墜落、兵士は無事〉
軍広報部「二世紀ものの紅竜に対する無謀な突撃は大変遺憾。なお、新たな機体の購入費の半分は当該兵士の給与から天引きされる予定です」
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