地の文が読んでいて心地よかったです。
情景描写の流れやとても綺麗でとても読みやすいです。
特に言葉ではなく着ているものや怯えた表情から凪が親なき子であると察するシーンや石投げから凪の狙撃手としての才覚が発覚するシーンは大河ドラマを見ている時のような臨場感がありました。
凪には狙撃手としての類いまれなる才に恵まれました。
しかし才が人を幸福にするとは限りません。
凪の狙撃手としての才は、主人公としての宿命は狙撃での事故による育ての父の死、という最悪の形で開花します。
たらればを言っても仕方ありませんが、凪はもしかしたら狙撃の才に恵まれず、育ての父と日銭を稼いで暮らしていた方が幸福だったのかもしれない。そう思わざるを得ません。
斯くして、悲劇は主人公を生み、凪は不殺の狙撃手、不知火と呼ばれるようになりました。
ここまでが一話です。
本当に濃密な一話でした。
戦乱の世に不殺を貫く。それはきっと想像を遥かに絶する至難の業なのでしょう。
凪の歩む道に少しでも幸あらんことを祈るばかりです。