森鴎外の『舞姫』をご存じでしょうか。
鴎外がロシアに赴任中にエリスという現地女性とつき合って棄てたというお話です。自己体験を元にしていると言われ、私は80年代に篠田正弘監督が撮った映画を観ましたが、鴎外役を郷ひろみが演じてました。
いずれ日本に帰るということはわかっているのに、その間だけの女だったのでしょうね、さよならも言わずに去って行くのです。この作者は「カス」と言ってます。そこまでひどいとは思いませんが、それを小説に書く鴎外は、外人女をものにしたことを自慢にしたかっただけか?と疑問に感じることはあります。もっとも、今も読まれる名作として残したのは、さすがは文豪ですが。
その『舞姫』のエリスに転生して、主人公豊太郎を思い切りフるという、すごい発想の小説です。それだけでも面白いのですが、転生してからの展開も波瀾万丈で予想がつきません。
何を期待するかによって評価は分かれるかも知れませんが、一読の値打ちはあると思います。ひとつだけ、文学的ではありません(笑)。