概要
医師の彼氏は、私に十分すらくれなかったのに.....
うつ病と診断された日は、ちょうど私の二十六歳の誕生日だった。診療所の洗面所で長いこと座り込み、脚が痺れてきてから、私は予約していた小さなケーキを持って青嵐中央医療センターへ向かった。朝倉蓮は消化器外科で働いている。知り合って七年、付き合い始めて五年になる。
院内のスキルトレーニング室前にある待合スペースで蓮を見つけたとき、彼は小日向美月の腹腔鏡縫合トレーニングを終えたばかりで、手には彼女の訓練記録が残っていた。
「少しだけ外を歩かない? 十分でいいから」
蓮は一度だけ私を見て、すぐに記録へ視線を戻した。美月はまだトレーニング用の手袋を外したところだった。
「紗季、ただ慰めてほしいだけだろ?」
「前にも言ったよな。俺はいつでも時間を空けられるわけじゃない。待ってる患者もいるし、
院内のスキルトレーニング室前にある待合スペースで蓮を見つけたとき、彼は小日向美月の腹腔鏡縫合トレーニングを終えたばかりで、手には彼女の訓練記録が残っていた。
「少しだけ外を歩かない? 十分でいいから」
蓮は一度だけ私を見て、すぐに記録へ視線を戻した。美月はまだトレーニング用の手袋を外したところだった。
「紗季、ただ慰めてほしいだけだろ?」
「前にも言ったよな。俺はいつでも時間を空けられるわけじゃない。待ってる患者もいるし、
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