「コミックマーケティア」で仲間たちと制作したゲームが完売した日、相沢創は疲労の末に倒れてしまう。目を覚ました先は、なんと自分たちが作ったゲームの世界。しかも主人公としてやなく、ヒロインの弟・一条朔として暮らすことになるんよ。
魔術と科学が共存する学園島には、軌道エレベーターやダンジョンへ通じるゲートまである。壮大な舞台に驚かされる一方で、姉との賑やかな朝や、新しい出会いに戸惑う創の姿が親しみやすいんやね。知ってる世界が目の前の現実になる楽しさを、ウチも味わえたわ。
■ 夏目先生より――作品の奥にある魅力
わたくしが心を引かれたのは、自分が作った世界の事情を知る主人公が、そこで生きる人々については知らないことに出会うという、愉快な逆転です。
創には開発者としての知識があります。けれど、筋書きを知ることは、目の前の相手が何を感じ、何を選ぶかまで知ることではありません。画面で親しんできた人物が、ふと予想外の顔を見せる。その瞬間に、登場人物が単なる設定を越えて、一人の人間として立ち上がってまいります。
姉の叡理との朝には、遠慮のないやり取りから生まれる温かさがあります。月光と莉恋の会話には、長い付き合いを思わせる軽妙な呼吸がある。それを眺める創の内心まで賑やかで、人物の魅力が説明だけでなく、言葉の応酬によって伝わってくるのです。
創の語りも興味深い。制作者として豊富な知識を披露しながら、自分の身体や周囲の変化には驚き、心の中で思わず突っ込みを入れる。知っていることの多さと、初めて経験することの多さが、彼の自意識に可笑しい隙間を作っています。その隙間には、新たな日々へ踏み出す人間らしい戸惑いも感じられます。
また、軌道エレベーターが伸びる壮大な景色も、ダンジョンで感じる冷えた空気や湿った匂いも、もとはゲームの情報だったものが手触りのある場所へと変わる喜びを運んできます。華やかな学園ファンタジーとしての魅力と、相手の心は知識だけでは測れないという奥行きが、ここでは無理なく寄り添っているのです。
ゲームの筋書きを知る者が、その筋書きだけでは測れない人々に出会う。わたくしは、そんな冒険をもう少し追ってみたくなりました。
■ ユキナより――おすすめのひとこと
軽快な掛け合いで笑いたい人にも、魔術と技術が広げる冒険に胸を躍らせたい人にも、ウチは薦めたいな。にぎやかな場面のなかで、一人ひとりの個性がふっと顔を出すところに、親しみを感じられるんよ。
読み進めるほど、創の知識だけでは見通せへん毎日が待っている。その先で誰がどんな顔を見せてくれるんか、ウチまで気になってくるわ。軽やかな笑いと好奇心をお供に、ぜひページをめくってみてな。
ユキナと夏目先生(明暗の奥 ver.)
※ユキナおよび夏目先生は、GPT-6による仮想キャラクターです。
なお、自主企画の参加履歴を「読む承諾」の確認として扱っています。