第5話 聖女は愛しき人のために時を巻き戻す

○神殿・内部


   降り注ぐ割れたステンドグラス。

   悲鳴を上げて逃げ惑う人々。


神官A「落ち着け。相手は魔獣。聖力で対抗するぞ」

神官B「ああ。女神さまの力を信じて」

神官C「女神さま、お守りくださいっ」


   陣形をとり戦う神官。


騎士A「オレたちも負けちゃいられないぜ」

騎士B「ああ。騎士団長さまの晴れの日を、こんなことで潰されちゃたまらねぇ」

騎士C「騎士の面子にかけて負けられねえなっ」


   剣を構える騎士たち。

   衛兵たちもバラバラと神殿内に入り込んでくる。

 

マーティ「危ないっ。アイリーンさま、こちらへ」

アイリーン「はいっ」


   アイリーンはマーティに庇われながら神殿の隅へ移動する。

   マーティは風と氷の魔法で魔獣と戦う。


マーティ「ああ、ダメだ。魔獣の数が多すぎる」


   次から次へと襲ってくる魔獣に、逃げ惑う貴族たちが悲鳴を上げている。

   その脇で血を流し倒れていく衛兵や騎士。


アイリーンM「血なまぐさい……なんて凄惨な!」


   守り切れず、貴族たちも傷付いていく。


コートニー「だめっ、だめっ、コッチにこないでっ!」


   コートニーは花を出す魔法を魔獣たちに向けるが、効果はない。

   花にイラついた魔獣がコートニーに手をかける。


アイリーン・マーティ「コートニー⁉」


   血まみれになって倒れるコートニー。


マーティ「なんてことをっ!」

アイリーン「マーティ!」


   コートニーを倒した魔獣に向かっていくマーティ。

   聖力で対抗するも跳ね返されて内部から吹き飛ぶ神官たち。

   魔獣の手にかかり、一人また一人と倒れていく騎士団の面々。

   血まみれで床に倒れる執事。

   血まみれの花びらに囲まれて床に倒れているコートニー。


マーティ「うっ……」


   血まみれになって力尽きて倒れるマーティ。


アイリーンM「ダメよ! こんなことは……許さないっ!」


   ネックレスを握り魔力を解放するアイリーン。

   時間が巻き戻っていく。

   激しい魔力の放出。


アダム「ああ、やはり。やはりそうだった! あなたは我らが姫君————」


   アダムも激しい魔力の放出に巻き込まれていく。


○魔界 魔王城

   高笑いする魔王のシルエット。


魔王「はっはっはっ! 見つけた! ついに見つけたぞ! 愛しい我が娘の……愛しい我が娘の血と繋がる者の気配だ!」


   魔王のアップ。

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