第14話 始動

 工事は順調に進んでいる。


 2階の工事はほぼ終わって家具も皆んなで運んで置いた。


 既に引っ越しできるが風呂がまだ完成していないのでギリギリまで宿に泊まることにした。


 厩舎も寝わらが入って準備完了だ


 井戸のポンプも好評で

「掃除が捗る」

 とありがたがっていた。

 厩舎の水やりにも活躍するだろう。


 キッチンでマヨネーズの作り方を説明しながら試作してみたが、女の子では交代で混ぜても大変だった。


 なので魔道具を作ることにした。


 魔法使いを見る機会が多いであろう、冒険者3人組に何か回す魔法が無いか聞いてみた。


 物を回す魔法は見た事が無いと3人共見解が一致していた。

(俺も思い当たらないので聞いてみたのだが)


「風魔法のトルネードとかなら風が回っているけど、切り裂くだけで物は回らないよ」

 確かに回っているが物は動かせ無い。


「うーん、何か行けそうな気がするが何か無いか・・」

 風車とか回せないだろうか。


 まずは風魔法を覚える、気圧が高い方から低い方へ気温が高い方から低い方へ空気が流れるイメージ


 旋風が巻き上がるイメージ


 閃きがあって魔法が発動出来た。

 風魔法にワールウインドが生えていた。


 魔法陣も出来た、魔力を流したら板の上で旋風が舞っている


 右回りだ。


 モーターの様なケースを作って軸に羽を付けて魔法陣を刻んだ板で底に蓋をした。

 魔力を流したら軸が回った、喜んで少し荷重をかけて回したら異音がして止まった、羽が吹き飛んだ様だ。


 太い軸を削るイメージで後付けではなく一体化させて作成して再度回してみた、羽の角度や軸受を工夫したり何度か試作したら良い感じに出来た。


 針金を加工して混ぜる部分を作ってモーターに取り付けて混ぜてみた。

 完璧だ、でも大きくなり過ぎてしまった。

 魔石の持ちも火の魔法より良い様だ。


 女の子が持って混ぜるには辛いと思うのでボール板風のフレームを作ってみた。

 作業場に設置して使えば良いだろう、使って様子を見て悪いところを修正していこう。


 作る準備は完了だ、入れ物を考えよう。

 金属は錆る、木だと染み込む、当然プラスチックは無いので、ガラス一択である


 雑貨商に行って大きさとか形とか気にしないでガラス瓶を買い漁った。


 全部融合させて、分離で分けて、モデリングで一律に作り直した蓋は木の蓋で良いだろう。

 瓶はとりあえず100本作っておいた、足りなくなったらまた作ろう。


 問題は材料の卵だ、高いうえに日持ちしない、供給量も運任せだ。


 皆んなで話して鶏を飼ってみる事にした。

 厩舎の空いている馬房に簡単な柵を作って雄鶏1羽と雌鶏を2羽を放してみた。

 雄鶏は食用なので安いが、雌鶏は2羽で金貨1枚もかかった。

 猫犬コンビには絶対に食わない様にキツく言っておいた。

 無事に増えて行けば安定して卵が供給できると思う。


 当面は今まで通り購入して作る事にした、最初から大量には売れないだろうし。


 色々と準備しながら数日がたった所で、ふと思い出した盗賊の首がそのままだった。

 持っているのも気持ちが悪いのでギルドに売りに行く事にした。


 場所がわからないので冒険者3人組に連れられて一緒にギルドに行って黒の団の討伐を報告した。


 シャハトのギルドは人も少なく寂れているので注目の的になってしまった。


 頭は解体所の作業台に並べた。

 ボスは良い死顔だった、よほど苦しんだのだろうまさに外道に相応しい死顔だ。


 全部で67個あった、何人か賞金もかかっていたらしいのでそれなりの稼ぎになりそうだ。


 盗賊団の討伐報酬は無い、領主が金を出さないとの事だ。


 ギルドが出してる盗賊の1人頭いくらの定額報酬は出る、1人銀貨5枚で合わせて銀貨335枚だ金貨3枚と残りは銀貨で貰った。


 賞金は調べに少し時間がかかるので後日受け取りに来てくれとの事だ

 で、一緒にさりげなく報告したのでモニカ、セリナ、エリスの3人も討伐に加わった様に誤解してくれたのでそのまま実績にしてもらった。


 帰り道でモニカが

「悪いなヴィットマン、アタシら捕まっていただけなのに。」


「勝手に誤解してくれたのだから損をする訳でも無いのでもらっておいたら良いよ。」

「今後はギルドの依頼を受ける機会も減るだろうからポイントを稼いでおくのは悪いことじゃないしね。」

「ギルドもポイントを出すだけで懐は痛まないので皆んなで幸せになろうよ。」

 と、冗談めかして言った。

 3人とも笑っていたのですべらなかった様だ。


 そのまま3人で武器屋に行って盗賊の装備を売り払った。


 あるだけ全部取り出して見せたら、ボスの大剣と胸当て、サブボスのレイピア2本は業物だったので取って置く事にした。


 それ以外はくず鉄同然の値段で売り払った。

 ここはポルトと違って中古の安物の需要が無いそうだ。

 少しおまけして貰って全部で金貨2枚で買い取って貰った。


 3人に残した装備で使いたい物があるか聞いたら。

「いらない」と、声を揃えて言われた。

 正直俺も使いたくない。


 アイテムボックスの中も掃除出来たので屋台で肉串を買って皆んなで食いながら商会に戻った。

(肉串もあまり美味く無いので商機を見つけた。)


 寝具も揃えて、応接セットも購入して一応準備は全て整った。


 職人さん達も頑張ってくれたので予定より早く工事が終わった。


 明日には宿を出て皆んなで引っ越す事なっている。


 高級宿での最後の夜を過ごした。



 チュンチュン


 朝食を皆んなで食べて忘れ物が無いか確認してからチェックアウトした。


「また、いらして下さい。」

 と、言われて宿の人に見送られた。


 久々に皆んなで馬車に乗って出発した。


 商会に着いて荷物を部屋に置いてから食堂に集合して役割分担について話しあった。


 首脳部の4人は事務所でお金の管理をしてもらう運転資金は金貨100枚にした。


 メシウマコンビのシェレンとアリアは食堂で皆んなの食事の準備と後片付け、余裕があったらマヨネーズを使ったレシピの開発をしてもらう。


 冒険者3人と猫犬コンビは商会の警備をしながら猫犬コンビを鍛えて冒険者として活動出来る様にしてもらう。

 成人前なので冒険者登録はできないが商会の護衛は出来る。

(ワイルドな生活をしていたので何気にレベルが高いのだ。)


 いずれは森の魔物の討伐に同行してもらうつもりだ。


 厩舎はライラとアリアの2人に任せた、これから馬車が必ず必要になるので調教と馬車の維持をお願いした。


 鶏の世話はエルファ親子に任せた、厩舎の手伝いもしてもらう。

 既に卵を産んでいたので、孵化するのを期待して卵は取らずに見守ってもらう。


 残りの8人はマヨネーズの製造と販売をしてもらう。

 あとは始めてみてから様子を見て必要ならメンバーチェンジすることにした。

 油と酢は在庫してあるので卵が買えた分だけ毎日作って行く事にした。

(置いておいても腐らないし)

 早速作業に取り掛かる


 事務所からお金を受けとって3人で卵を買いに行った


 残った人で食堂を片付けて作業スペースを作り準備を整えておく


 調理担当は食事の準備に取り掛かる、事務所でお金を受け取り食材を買いに出かけて行った。


 厩舎担当は水をあげたり馬の手入れをする様だ


 護衛チームはナーニャとプールに稽古をつける様だ。

 ナーニャとプールに獲物を聞いたら、今まではゴブリンから奪った棍棒を使って旅をしてきたらしい。


 流石にそれでは見窄らしくなってしまうので盗賊装備の残りを出したら気に入った様でナーニャはレイピア2本、プールは大剣と胸当てを装備する事になった。


 ナーニャに防具はどうするか聞いたら

「動きにくいからいらない、私避けるし。」

 と、強気な回答が返ってきた。


 2人に剣の振り方とか念の為魔法も教える様に言ってお任せした。


 皆んなテキパキとそれぞれの役割に散って行った。


 エリエッタに

「無理しない様にね。」

 と、声かけしてから事務所に行って。


「ちょっと出かけてくる。」

 と、声をかけて出かけた。


 装備を整えて壁の外に出かけた。

「さて森はどんな様子かな」

 俺だけ特にする事が無いので魔石を確保しに森に向かった。

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