概要
神の奇跡に法則があるなら――それは、壊せる。
祈りと詠唱が現実を書き換える異世界へと高校生の久澄 解は迷い込んだ。だが、解の身体はこの世界の魔法を異物として拒絶する。魔法を使えない。魔法による治療も受けられない。術式に触れれば、青白い火花が神経を焼く。それでも彼は、魔法を奇跡とは考えなかった。現象が起きるなら、そこには必ず仕組みがある。声は力そのものではなく、何かを動かすための合図。水と毒は、混ざっていても同じ物質ではない。炎が消えても、使われなかった熱まで消えるわけではない。ならば、現象を観察し、結びつきを見抜き、綻びへ逆向きの力をぶつければ――魔法は解体できる。解は毒に濁った水から不純物を引き剥がし、非効率な術式の欠陥を暴き、瓦礫と滑車と重力を武器へ変えていく。しかし、祈りを支配の礎とする教団にとって、魔法の仕組みを暴く者は存在して
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