概要
私は会社も彼も捨て
神谷テクノロジーズ株式会社の忘年会は、駅前のホテルで開かれた。代表取締役社長の神谷怜司は、新任の社長秘書である相沢莉奈を連れて二十分遅れて現れ、私の隣に残っていた席を見ると、わずかに眉を寄せた。十年前には七人が古い雑居ビルの一室に集まっていた会社も、今では数度の資金調達を経て社員数が二百人を超え、取締役会と社外取締役を置くまでに成長している。
「朝倉、もう少し奥に詰めてくれ。相沢はここなら料理を取りに行きやすい」
私は皿を持ち上げ、長テーブルのいちばん奥へ移った。怜司は私が素直に従うと思っていなかったらしく、一瞬だけこちらを見た。その直後、スマートフォンが震えた。
「気にするな。新人に気を配っているだけだ。明日は映画に行こう」
私は一言だけ返した。
「わかった」
それで安心
「朝倉、もう少し奥に詰めてくれ。相沢はここなら料理を取りに行きやすい」
私は皿を持ち上げ、長テーブルのいちばん奥へ移った。怜司は私が素直に従うと思っていなかったらしく、一瞬だけこちらを見た。その直後、スマートフォンが震えた。
「気にするな。新人に気を配っているだけだ。明日は映画に行こう」
私は一言だけ返した。
「わかった」
それで安心
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