第1話から第5話までを拝読しました。株価の下落率や回収できない損失の割合が、ひとつずつ都合よく書き換えられていく第1話の手触りが具体的で、「危機じゃない日の数字」で危機を計るなと押し返す直人の姿に、この主人公の芯がそのまま表れていると感じました。召喚する側のリヴィアが、自分も帳簿の破綻を止められなかったと名乗り出てはじめて扉が開く第3話も、異世界転移の入口に責任の重さが置かれていて印象的です。第5話で金貨46枚の鉄箱だけを見て諦めず、未納の税・王領・倉庫を並べて流れをつなぎ直そうとする展開は、数字で状況が見えてくる気持ちよさがあり、三冊の帳簿の中身が楽しみです。