概要
彼氏も職場も奪われたこんな私を、ずっと見守ってくれてた人がいた
「うちの店、継ぐから」
彼にそう言われて、あたしは就職活動をやめた。大学四年の春だった。
それから六年、駅前の喫茶店で働いた。肩書きはアルバイトのまま。発注も、シフト表も、新人の教育も、店のSNSも、ぜんぶあたし。いつか二人でやる店になるはずだったから、片方を引き受けたつもりだった。
その彼を、二年前に入ってきた後輩に取られた。
悪いのはあたしだという話になっていた。髪が明るくて、声がでかくて、常連の子たちから「悪役令嬢」と呼ばれてる女。誰が悪役かなんて、はじめから決まってる。
言い返せばよかった。でも、あたしは何も奪われてないことになってた。書面もない。就職しなかったのは自分の判断。並べるほど、みっともなくなる。
だから一言も言わずに、引き継ぎを全部終わらせて、店を
彼にそう言われて、あたしは就職活動をやめた。大学四年の春だった。
それから六年、駅前の喫茶店で働いた。肩書きはアルバイトのまま。発注も、シフト表も、新人の教育も、店のSNSも、ぜんぶあたし。いつか二人でやる店になるはずだったから、片方を引き受けたつもりだった。
その彼を、二年前に入ってきた後輩に取られた。
悪いのはあたしだという話になっていた。髪が明るくて、声がでかくて、常連の子たちから「悪役令嬢」と呼ばれてる女。誰が悪役かなんて、はじめから決まってる。
言い返せばよかった。でも、あたしは何も奪われてないことになってた。書面もない。就職しなかったのは自分の判断。並べるほど、みっともなくなる。
だから一言も言わずに、引き継ぎを全部終わらせて、店を