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概要
人を道具としか思ったことのない男が、騙すものの何もない谷へ行った。
鍵の掛かっていない家を探して、頭の弱い男に盗ませる。おれのやり方はそれだけだった。
半年で二十三軒。
不用意な暴力で全部が崩れ、執行猶予がついた冬、十年ぶりに母から電話が来た。
こっちに来んね、と。
母のいる谷は、底一面が緑だった。膝までの水の中に、腰の半分まで藻が立っていた。
四十人が同じ顔で笑う集落で、おれは仕組みを探した。
石垣の上に、顔の右半分が白く壊死した女の子が座っていた。
「あんた、悪い人?」
半年で二十三軒。
不用意な暴力で全部が崩れ、執行猶予がついた冬、十年ぶりに母から電話が来た。
こっちに来んね、と。
母のいる谷は、底一面が緑だった。膝までの水の中に、腰の半分まで藻が立っていた。
四十人が同じ顔で笑う集落で、おれは仕組みを探した。
石垣の上に、顔の右半分が白く壊死した女の子が座っていた。
「あんた、悪い人?」
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