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概要
返事のない息子に、母は音楽と声を届け続けた。
雨上がりの深夜、バイク事故で救急搬送された二十歳の青年・高橋直樹。
意識は戻らず、担当医からは厳しい状態だと告げられる。一人息子のそばへ毎日通い、返事がなくても語りかけ続ける両親。
「この子、音楽が好きなんです」
母親が病室へ持ってきたのは、息子が好きだったロックバンドのカセットテープだった。
人工呼吸器とモニターの音が響く集中治療室で、その曲を流した時――青年の指が、ほんのわずかに動いた。
息子の身体を思って縫われた、マジックテープ式の寝間着。眠れない夜を抱える母親。言葉少なに見守る父親。そして、意識が戻るにつれて看護師を困らせるようになった青年。
遠い昔、美和が出会った一人の患者と、その家族の物語。
意識は戻らず、担当医からは厳しい状態だと告げられる。一人息子のそばへ毎日通い、返事がなくても語りかけ続ける両親。
「この子、音楽が好きなんです」
母親が病室へ持ってきたのは、息子が好きだったロックバンドのカセットテープだった。
人工呼吸器とモニターの音が響く集中治療室で、その曲を流した時――青年の指が、ほんのわずかに動いた。
息子の身体を思って縫われた、マジックテープ式の寝間着。眠れない夜を抱える母親。言葉少なに見守る父親。そして、意識が戻るにつれて看護師を困らせるようになった青年。
遠い昔、美和が出会った一人の患者と、その家族の物語。
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