概要
心を一度通った言葉は私の記憶に運ばれ、やがて心に戻っていく
人は、目にしたもの、触れたもの、失ったものを、そのまま言葉にすることはできないと思う。
それらは一度、必ず心を通る。記憶や感情に活路を配分し、別の色へと変わった後、別の言葉となって心にまた帰る。
動脈を流れる血が、この身体を生かすためのものであるならば、静脈を流れる血は、すでに一度、身体を生かすために使われたものである。そこには、通過してきた場所の記憶がある。
この歌集に収められた歌もまた、私の心を一度通り、私を生かすために使われた言葉である。外部から与えられた出来事は、心の内で消費され、冷え、暗くなり、詩となって戻ってきた。
創作とは、何もない場所から新しい言葉を生み出すことではないのかもしれない。すでに見たもの、すでに傷ついたもの、すでに使い果たしたと思っていたものを、もう一度、自
それらは一度、必ず心を通る。記憶や感情に活路を配分し、別の色へと変わった後、別の言葉となって心にまた帰る。
動脈を流れる血が、この身体を生かすためのものであるならば、静脈を流れる血は、すでに一度、身体を生かすために使われたものである。そこには、通過してきた場所の記憶がある。
この歌集に収められた歌もまた、私の心を一度通り、私を生かすために使われた言葉である。外部から与えられた出来事は、心の内で消費され、冷え、暗くなり、詩となって戻ってきた。
創作とは、何もない場所から新しい言葉を生み出すことではないのかもしれない。すでに見たもの、すでに傷ついたもの、すでに使い果たしたと思っていたものを、もう一度、自
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