タネマルとは────、まだ知られていない「町の種」、観光名所やカフェスポットなどを探す、町歩きアプリ。
主人公、小学生の女の子、すずは、花の観光コースや、食べ歩きコースの影に隠れた、「地元ブランドの魚コース」に、ひっかかってしまってしょうがない。
海も港もない。
この町は、花の町として有名。
それなのに、なんで、あえて魚……。
街歩きアプリに姉がかかわっている事もあり、なんとか、「魚コース」を、もっと見栄えよく、人気が出るようにできないか……。
等身大の小学生の女の子が、町おこしに奮闘する! 話になるはず。(まだ物語は途中なので)
つばさ文庫応募作品なので、小学生が読者として想定されています。わかりやすい文章で、すず目線で話が進むので、さくさく、すいすい読めて、楽しいです!
本作は、徹底して計算された読みやすさの裏に、「現代社会のシステムへの批評」と「ロジカルな問題解決の快感」を秘めた、知的な児童文学です。
この作品は単なる健康的でお利口な町おこしボランティアではありません。物語の核心は、SNSや評価サイトの縮図であるアプリ「タネマル」の残酷なアルゴリズム――「人気があるものがさらに優遇され、地味な本物は下に埋もれていく不条理」を見抜く、少年少女の鋭い視線にあります。
家での姿と外でのプロの顔のギャップが魅力的な姉、そしてデータを図で考える分析型の同級生・理久という配置も秀逸で、「戦略やロジックへの強いこだわり」が光ります。
主人公のすずは、現状の「お手伝い係」から変わっていくかも…
子どもたちを熱狂させるポテンシャルを十分に秘めた、鋭い輝きを持つ一作です。