装飾を一切削ぎ落とした、淡々とした地の文と短いセリフ。あえて背景の音や色を描かないことで、物語の周りにはどこまでも静謐な空間が広がっている。一定のテンポで刻まれるページをめくる音だけが響くような世界観。だからこそ、読み終えたあとにじわじわと押し寄せる余韻が恐ろしいほど深い。静かな夜に一人でじっくりと浸りたい一冊。