2026年7月27日 16:52 編集済
竹を削る、夏の終わりを縫う。への応援コメント
企画から来たものです。私は自主企画をするのが初めてで、企画に投稿された小説を投稿された順に拝読しております。その頃からすでにこの小説のタグが気になっていました。冷たい麺/流し素麺/百合/GL/ゾンビ/青春/切ない/終末世界タグからどのようなお話か全く想像ができず、またホラーがすごく苦手な私は「ゾンビ」という文字におびえ続けていました。とうとうこのお話にたどり着いてしまった私は、冒頭からずっとゾンビの影におびえながら物語を読み進めていました。おびえながらも、造り込みがすごく深い作品だと感嘆いたしました。世界観の構築と細かなデティール。特に竹にまつわる表現と、彼女たちの会話の描写です。繊細な部分まで精密に作りこまれたジオラマの中に放り込まれた錯覚に陥りました。ともすれば、世界観の説明をしてしまいそうなところを、手元の描写だけで読み手に想像させる。そんな演出がすばらしいと思いました。そして、気が付けばゾンビの影を忘れ、物語に没入している自分に気が付きました。そして唐突に現れるゾンビの影。背筋が冷えました。それでもスクロールする指は止められませんでした。最後まで読み進め、深い余韻の中に浸ることになりました。そしてあの世界観について考える静かな時間が流れています。深い余韻を味わう、素晴らしい作品でした。インパクトがすごいです。企画へご参加いただき、ありがとうございました。……あれ?これって恋愛小説?
作者からの返信
円つみきさん、読んでくださってありがとうございました。ゾンビ怖いのに、それでも指止めないで最後まで来てくれて。それだけでもう、こっちが勝手に泣きそうです。僕がこの話でやりたかったのは、噛まれたとか発症するとか、たぶんそういうことじゃないんです。今日で終わりだよってアナウンスが流れる夏なんてない、ってことです。誰も教えてくれない。竹を叩く音とか、湯呑みを渡す手つきとか、麦茶を注ぎすぎる癖とか、そんなものが後から思えば全部「もう会えない合図」だったなんて、そのときは誰にもわからない。わからないまま笑ってた。それでよかったんだと思う。わからないまま笑って、竹を割って、水を流して、それである日、唐突に終わる。終わってから、ああ、あれが最後だったんだって、指先に残った匂いだけが教えてくる。世界が終わっても夏だけは律儀に来るのと同じくらい、当たり前だったものは律儀に一度だけ最後を迎える。教えてくれずに。だから「これって恋愛小説?」と気づいてもらえたの、正直、一番嬉しい感想です。隠したところに気づいてもらえるの、この話ではそれが一番の褒め言葉なので。これは自分でもちょっと考えたんですけど。恋愛小説として売るなら、たぶんこの話、下手なんです。「好き」って一回しか出てこないし、しかもそれ、はっきり言わせてない。竹の匂いの話にまぎれさせて、本人にも自分にもごまかせるようにしてある。恋愛小説として読んでほしいなら、もっと叫ばせた方が正解だったと思います。でも、叫ばせなかったのには理由があって。好きって、大声で言われたら、言われた方は背負うんです。その言葉、持ったまま生きていかなきゃいけなくなる。残り時間少ししかない人が、それでも相手に大きい荷物を渡さずに済ませる方法を選ぶとしたら、たぶんこうなる。「これも、好き」って、竹の匂いのついでみたいに、軽くする。本気で軽いわけないのに、軽く見せる。不利は不利です。でも、それを不利って言えるのは、渡す方が受け取る方より先に楽になりたいときだけだと思う。渡された方がずっと持っていられる重さにするのって、実は結構な気遣いなんです。だから今回の作品では、とりあえずこれでよかったんだと思ってます。
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竹を削る、夏の終わりを縫う。への応援コメント
企画から来たものです。
私は自主企画をするのが初めてで、企画に投稿された小説を投稿された順に拝読しております。
その頃からすでにこの小説のタグが気になっていました。
冷たい麺/流し素麺/百合/GL/ゾンビ/青春/切ない/終末世界
タグからどのようなお話か全く想像ができず、またホラーがすごく苦手な私は「ゾンビ」という文字におびえ続けていました。
とうとうこのお話にたどり着いてしまった私は、冒頭からずっとゾンビの影におびえながら物語を読み進めていました。
おびえながらも、造り込みがすごく深い作品だと感嘆いたしました。
世界観の構築と細かなデティール。
特に竹にまつわる表現と、彼女たちの会話の描写です。
繊細な部分まで精密に作りこまれたジオラマの中に放り込まれた錯覚に陥りました。
ともすれば、世界観の説明をしてしまいそうなところを、手元の描写だけで読み手に想像させる。そんな演出がすばらしいと思いました。
そして、気が付けばゾンビの影を忘れ、物語に没入している自分に気が付きました。
そして唐突に現れるゾンビの影。
背筋が冷えました。それでもスクロールする指は止められませんでした。
最後まで読み進め、深い余韻の中に浸ることになりました。
そしてあの世界観について考える静かな時間が流れています。
深い余韻を味わう、素晴らしい作品でした。
インパクトがすごいです。
企画へご参加いただき、ありがとうございました。
……あれ?これって恋愛小説?
作者からの返信
円つみきさん、読んでくださってありがとうございました。
ゾンビ怖いのに、それでも指止めないで最後まで来てくれて。それだけでもう、こっちが勝手に泣きそうです。
僕がこの話でやりたかったのは、噛まれたとか発症するとか、たぶんそういうことじゃないんです。今日で終わりだよってアナウンスが流れる夏なんてない、ってことです。誰も教えてくれない。竹を叩く音とか、湯呑みを渡す手つきとか、麦茶を注ぎすぎる癖とか、そんなものが後から思えば全部「もう会えない合図」だったなんて、そのときは誰にもわからない。
わからないまま笑ってた。それでよかったんだと思う。わからないまま笑って、竹を割って、水を流して、それである日、唐突に終わる。終わってから、ああ、あれが最後だったんだって、指先に残った匂いだけが教えてくる。世界が終わっても夏だけは律儀に来るのと同じくらい、当たり前だったものは律儀に一度だけ最後を迎える。教えてくれずに。
だから「これって恋愛小説?」と気づいてもらえたの、正直、一番嬉しい感想です。隠したところに気づいてもらえるの、この話ではそれが一番の褒め言葉なので。
これは自分でもちょっと考えたんですけど。恋愛小説として売るなら、たぶんこの話、下手なんです。「好き」って一回しか出てこないし、しかもそれ、はっきり言わせてない。竹の匂いの話にまぎれさせて、本人にも自分にもごまかせるようにしてある。恋愛小説として読んでほしいなら、もっと叫ばせた方が正解だったと思います。
でも、叫ばせなかったのには理由があって。好きって、大声で言われたら、言われた方は背負うんです。その言葉、持ったまま生きていかなきゃいけなくなる。残り時間少ししかない人が、それでも相手に大きい荷物を渡さずに済ませる方法を選ぶとしたら、たぶんこうなる。「これも、好き」って、竹の匂いのついでみたいに、軽くする。本気で軽いわけないのに、軽く見せる。
不利は不利です。でも、それを不利って言えるのは、渡す方が受け取る方より先に楽になりたいときだけだと思う。渡された方がずっと持っていられる重さにするのって、実は結構な気遣いなんです。だから今回の作品では、とりあえずこれでよかったんだと思ってます。