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花宵 彩月は毎日何かを忘れてゆく。

道端で見た小さな花を。

光を受けて空を飛ぶ鳥の名前を。

鼻をくすぐる柔軟剤の香りを。

笑顔で話しかけてくる人の名前を。

自分の名前を呼ぶ人の声の色を。

いつの間にか隣にいる貴方の顔を。

忘れてゆく。

些細なものから。

大切なものまで。

少しずつ、少しずつ。

忘れてゆく。

何ひとつ例外無く。

忘れてゆく。


あと幾つ、あとどれくらい。

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