概要
これは恋に不器用な男の子が、好きな子と手を繋ぐまでの物語。
あれは一学年上の先輩たちの卒業式の日だった。Mさんのことばかり見ていた僕は、朝からMさんの様子がおかしいことに気付いていた。式が終わって、Mさんがどこかに向かっていることに気付いて、僕は追いかけることにした。Mさんが向かった先は、学校の敷地内にある一番の告白スポットとして有名な桜の木だった。その木の下に、ひとりの男子生徒がいた。文武両道を掲げながらも、実際のところは武のほうに大きく偏っている我が校において、サッカー部のエースであり、学業も優秀で、有名大学に入学が決まっていた大変イケメンのS先輩だった。以前からふたりの仲を疑っていた僕は、計十三回、ふたりで下校しているところも把握していたので、あぁやっぱり、という思いもあった。
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