エルフの謀略が、飢饉という物量の被害に化けて国家を沈める。この発想だけで最後まで読まされました。魔法が戦場で光るのではなく、兵站を枯らして敗戦を作るという回路が理詰めで、架空戦記としての重みがきちんとある。「交易品は餌、本命は相手の欲と恐怖です」の一行が、この作品の遊び方を全部言い切っている。歴史の年表を読んでいるつもりが、いつのまにか謀略の側に立たされていました。