かの國では、白い雨が 様々なモノ を連れて来ると謂れている。とても端正な文章で語られる、美しく不思議で怖い掌編集。 ポプラの並木があり、北の厳しい海が波濤を擡げる。人々の暮らしの中に、そして心の中に するり と入り込むのは怪異か、或いはもっと別の ナニカ か。何処か乾いた情景美は、多分それが日本の四季の外にあるからかも知れない。けれども、嫋やかな情緒には心当たりがあるのだ。とても不思議で、それでいて懐かしくもある。 静かに降る雨。 怪異は、何処にでも紛れている。