赤いマフラーと黒い羽
しれい
第1話 出会い
雪解けも始まってきた頃か。冷たかった風がいつの間にか暖かさを感じる。
私は夜凪 千景。ただのしがない保安官だ。
今日もパトロールの時間か、平和すぎて暇なのは秘密にしておこう。
他の国と比べて日本は比較的平和なのだろう。私の出番はあまりない。といっても、サボるのは良くないのだが。
ホットコーヒーを飲みに自販機に向かう。
向かっている途中に、視界の端に黒い影が蠢いた。幻覚かと思ったが、直感が行くべきだと言っている。
「そこの君!」
私は声をかけた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「…暖かくなってきた。」
雪解けも始まって、暖かい風が吹き始める頃。あと数ヶ月待てば梅雨かな。
朝日が眩しい。私は日陰を移動しながら闇に紛れる。
私は黒羽 澪。愛想もよくないし、群れるのも得意じゃないただの人間。
今日も何もないといいけど。
朝食を買いにコンビニに向かう。日陰から日陰へ。それでも眩しいものは眩しい。周りは騒がしい。もう慣れてくる頃。
???「そこの君!」
その時、私は声をかけられた。振り返る。
「…誰。」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
???「…誰。」
警戒心丸出しの声だった。いや、当たり前だ。知らない大人が話しかけてきて警戒しない子供はいない。いたら怖い。…断言はできない。
ともかく、私は言葉を続けた。
「職務質問、っていえば分かるか?」
???「あんまり私に関わらない方がいいよ。」
「手厳しいな。じゃあせめて名前だけでも聞かせてくれないか?」
???「…黒羽 澪。」
「そうか、時間取って悪かったな。」
澪「別に。」
そして少女は、いや。黒羽 澪は日陰に紛れて消えた。まるでそこに誰もい無かったかのように。頭の中であの声があることが、確かにそこにいた証拠だ。
黒羽 澪について知るために、辺境保安局に久々に顔を出した。
同僚の中でも一番仲のいい、早瀬 瞬に声をかけた。
瞬「夜凪さん!ちわーっす!久しぶりっすね!」
「あぁ、久しぶり。ひとつ聞きたいことがあるんだ、聞いてくれないか?」
瞬「もちろんっす!なんでも聞いてくださいっす!」
「黒羽 澪って知ってるか?」
瞬「誰っすかそれ?探し人っすか?職質したなら上が記録とってると思うっすよ。そこから個人情報にアクセス出来ると思うっす。」
(ありなのか?それは。グレーゾーンではないのか?)
そう思いながらもやってみることにした。
「ありがとな。」
瞬「いいっすよいいっすよ!その代わりジュース奢ってくださいっす!」
軽く会釈して、私は上層部に向かった。データを管理している人物。
――犬飼 玲司なら何か知っているだろう。
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