新米探偵・山椒沢蒼瑚は、目覚めた時には記憶をなくして奇妙な施設に閉じ込められていた――
推理をするたびに記憶が一つ欠けていくという主人公の設定が非常に面白いミステリー作品です。
欠けた記憶が推理の重要なパーツであり、実際に起こった事件の謎、プラス欠けた記憶の謎も推理していくという不思議な展開が読者を魅了します。
また、事件も魅力的で、集められた全員が記憶喪失、そして過去に罪を犯している者達ばかりで誰も信用できないという緊張感漂う舞台設定がさらに事件を引き立てています。
記憶喪失によって何度も推理し直して、それぞれ断片のような推理をパズルのように組み合わせていく展開が非常に面白い推理満載なミステリーでした。
探偵の山椒沢蒼瑚は、推理が冴えると記憶が消えてしまう!という特別な能力を持っている。
そんな彼が目を覚ますと見知らぬ施設にいて……。
果たして彼が受けた依頼とは?
山椒沢蒼瑚が目を覚ました施設には6人の人たちがいる。
驚くべきことに、なんと6人全員、記憶がない。
迎えの船がやってくるまで、果たして無事に過ごせるのだろうか?
当然何も起こらないわけがなく……。
誰が犯人なのか、誰が嘘をついているのか。
最後まで犯人が分からず、ドキドキしながら読み進めてしまいます。
主人公は探偵なので、特殊能力を使わずともちゃんと推理できるのですが、
番狂わせなのはやはりここぞというときに発動してしまう、忘却の能力。
果たしてこの力が吉と出るか凶と出るか……?
雰囲気たっぷりのクローズドサークルミステリーです!
人は誰しも、記憶を基盤として物事を考え、動きます。性格にせよ価値観にせよ、過去の記憶によって形成される面が大きい。では、その記憶が曖昧になったら、何かの力によって操作されることになったら、人はどうなるのか。
本作の主人公は、記憶を犠牲に推理力を上げることが出来るという特殊能力の持ち主です。扱いにくくはありますが、やり方によっては有用な能力、これをどう使いこなしていくかがまず興味深い。
そして、クローズドサークルで一緒に閉じ込められた人たちは記憶を失った人達。このような特殊な条件下で起きる殺人事件と陰謀、他の作品とは一味違う魅力に溢れています。ぜひとも一読を!!
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主人公だけの「忘却」という能力だと思っていたら、目覚めると全員が記憶喪失。そこから一気に物語のスケールが広がり、一気読みしてしまいました。
主人公は自分だけが完全な記憶喪失ではないという秘密を抱えながら行動するため、読者は常に「主人公の知らないこと」と「他の登場人物の知らないこと」の両方を考えさせられます。
この構造がとても面白いです。
さらに、離島・人体実験・夢哭島・消去実験というワードが少しずつ明かされ、誰を信用していいのか分からない緊張感が途切れません。
登場人物にもそれぞれ何か隠していそうな雰囲気があり、今後の正体や過去が気になります。
そして最後の見城翼の視点。「人格は変わるのか」という研究テーマが明かされたことで、単なる記憶喪失ミステリーではなく、人間そのものを問いかける物語になりそうだと感じました。
謎の出し方が非常に丁寧で、読み進めるほど知りたいことが増えていく作品です。
続きが気になって仕方ありません。