冒頭、地球誕生から人類史開幕までの年表が一気に流れたあと、いきなり海で溺れる男が助けられる場面から始まる導入の落差が面白い。ヒレを持つカサナ星人の少女スパリーが人懐っこく、地球人という存在に大興奮する反応がコミカルで、読んでいて自然と頬が緩む。そして会話の端々で明かされる、地球が全宇宙を統治する神格化された存在になっているという壮大な設定の明かし方が巧みだ。呑気な自己紹介の裏で、実は主人公ウィルオがとんでもない時代を生きてきた人物らしいと匂わせる終盤の一文で、一気に続きが気になる引きになっている。会話のテンポの軽さとスケールの大きい世界観のギャップが、この作品ならではの魅力だと感じた。