『紫陽花と、心模様』を読んだ方にはぜひ続けて読んでほしい。
どちらから読んでも十分に楽しめる、やさしい別視点の恋物語です。
前作では、恵梨さん戸惑いや心の揺れを中心に、本作では西村真琴(ニッシーくん)の視点から、同じ出来事の裏側にあった想いが描かれています。
軽口を叩き、場を回し、爽やかに振る舞う彼の内側にあるのは、高校時代のたった一度の出会いに紐づく、思った以上に一途な恋心。
紫陽花柄のハンカチ、にわか雨、天気予報、飲み会帰りのタクシー。
何気ない小道具や場面が、別視点で読むことで少しずつ意味を変えていくの妙が素敵です。
派手な告白劇はなく、曇り空の隙間から薄日が差すように、ゆっくり恋が始まっていく、そんな心の動きが丁寧に描かれていて、とても優しい気持ちになります。