神宮寺家の広間で、神宮寺真紀の姉である真由美が殺害された。しかしながら固く守られた屋敷に侵入できる者はない。だとすれば犯人は、真紀を含め屋敷にいた7名の誰かとなる。果たして探偵ならぬただの女子が、言の葉をもって闇中の真実を探す、姦しくも緊迫した人狼ゲームが幕を開けた!
密室殺人は本格ミステリーの定番ですが、そこに小劇場で演じられる演目さながらな、芝居気というスパイスが効かされていることこそ本作の魅力です。
主人公である真紀さんを始め、その密閉空間へ押し込まれた容疑者たちが、会話と対話で互いを探り合っていく――明確な探偵役がいないからこそ、場面場面で誰かが真実を言い当てたのか、あるいは嘘に騙されたのかわからない。でも皆がそれぞれに尽くしていることが濃やかに描き出されているからこそ目が離せなくて。そしてつい思ってしまうのです。犯人がいなければいいのにと。
それでも犯人はいますし、最終章ですべてが明かされ、証されます。どうぞご自身の目でお確かめを!
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=髙橋剛)