これはクール!
切れ味がヤバい。
現在の愛華を冷淡に描き、子ども時代に遡って、少し経てば忘れるような悲しさに薄っぺらな涙を流す愛華に冷ややかな視線を注いだかと思えば、主人公側にひっくり返すという、このソリッドな構成、お見事です!
「正しい人間としての振る舞い方」ってマニュアルに決定版がないので、周りの人たちから「どうやら、こう振る舞うものらしいぞ」というサンプルを集めながら生活している実感が私はけっこうある方で、このテーマは刺さりました。
それでいて、どっちも人間らしさが残ってるのもいいですね。
愛華でいうと、露骨に嫌な顔したり、無駄にスケジュール共有したり。仔ウサギのことを覚えているのはハルカの方であったり。
この人たち——ひいては私たち現代人——はロボット人間です、みたいな単純な話でもない、この微妙な生っぽさがとても好みです。
とても良い読書体験でした。ありがとうございました!
作者からの返信
コメントありがとうございます!
感想はなくても、一言でも、まったく問題なく嬉しいのですが、
どのように解釈したのかを聞かせていただけるのは、本当にありがたいなと、感動しています。
福太郎さんもマニュアルを集める側の人間なんですね。
わかっていただけると思うのですが、「こう振る舞うらしい」と他者を観察しているとき、なんだか自分がこの世界線とは違うレイヤーの場所にいるような、不思議な心地になります。
私はこの感覚、面白くて好きですが、さみしさもあるなぁ、と思っています。
その「面白いなぁ」の部分を、なんとか「面白い作品」の形にしたいなと思い、現時点の全力を注ぎました。
キャラ描写や構成など、なにもかも手探りでした。福太郎さんが、こんなに筋の通った構成として読み取って、こんなに丁寧な言葉で言語化してくださったこと、感動しています。ありがとうございます。
クール、切れ味、そんなイカした言葉で褒めていただき、もう最高にバイブスがぶち上ります。何度も読み返してます。
構成などの技術面を褒められますと、こそばゆい感じがしますが、自分が一番苦心して努力している部分でもあるので、へへ、超嬉しいです。
愛華の書き方が、もっと悪意がある方がいいか、いやもっと善人のほうがいいか、最後まで悩んで、どっちつかずのままになりました。
自分としては生々しい感じに書けたかなと思いつつ、ちょっと中途半端だよなぁと反省していたので、愛華の人間らしさを感じていただけて感無量です。
レビューもありがとうございます。
SNSの訃報の振る舞い、白々しいですよね。私も同じこと思っており、刺さりました。
それに対する持論を書いていたら長くなってしまい、割愛します。一言でいうと「愚かだけど、ホモサピの知恵と合理性だよね」みたいな感じです。
コメントとレビュー本当にありがとうございます。
読みながら、顔が引きつるような感覚がありました。
どちらが優しい、どちらが冷たい、という対比のお話ではないんですよね。ハルカがその異質さを抱えたまま人に馴染もうとしているお話として読みました。的外れでしたらごめんなさい。
ハルカは、動物の死骸を見ても「気持ち悪い」「かわいそう」という感情より先に、責任や手順のほうへ自然に動いていく人ですね。直接触れないように車道脇へどけ、通報先を調べる。その動作が極めて合理的で(プリント紙を内側に畳む流れまでが鮮やかで)、かつ、善行をしているという意識すら薄いように見えるところが印象的でした。
ハルカはずっと愛華ちゃんの反応をよく見ています。
けれど、それは気配りというより、社会の中で浮かないための処世術、生きるためのノウハウなんですね。
こう言われたらこうする、こういう反応にはこう返す──そうして振る舞いを一つずつ身につけていく姿に、ぞわっとしながらも、それ以上に切実なものを感じました。
ラストのメモに加えられた「動物の死骸を見たら、放置する」という一文。
これはハルカの本心というより、愛華ちゃんとのやりとりから得た、“人間として浮かないための正解”なのだと思いました。
本来のハルカは、死骸をどけて、連絡先を調べて、小学生の頃には実際に仔ウサギを埋めた側の人なのに、他者の反応を見て「次からは放置する」と学習してしまう。ここ、とても苦いですね。
ハルカは倫理や優しさを持っていないわけではないのに。でもそれを他人の反応に合わせて修正してしまうところがやるせなくて……
ほかのメモの内容も、相手の気持ちを自然に読める人にとっての当たり前を、ハルカが一つずつ規則として収集しているんだなと思いました。
愛華ちゃんに新しい彼氏ができたと聞いたとき、もうバスボムを用意しているところも、悪意ではなく規則に従った準備なのだと思うと、なんとも言えない気持ちになりました。
すごいですね。しばらく読み返してしまいました。
読み終えて時間が経った今も、言語化しづらいものが胸のうちに残っています…
作者からの返信
コメントありがとうございます。
こんなに丁寧に読んでいただけ、しかも何度も読み返してくださったこと、本当に嬉しいです!
面白い作品にしたいという一心で、手探りで書きました。今回いただいた感想を読んで、「ああ、自分はこういうものを書いていたのかな」と気づくところがありました。
からももさんが読み取ってくださった『ハルカがその異質さを抱えたまま人に馴染もうとしているお話』というのは、この作品を端的に表していると思います。
もちろん、ほかの読み方やとらえ方をしてくださっても嬉しいです。面白い、つまらない、気持ち悪い、怖い……読むかたに、なんらかの感情をもっていただけたら本望だと思って書きました。
ハルカの切実さ、いびつな生き方を、断罪も憐憫もせずに受け止めていただけたこと、ありがたかったです。
猫の死骸の通報に『善行をしているという意識すら薄い』とあり、はっとしました。それと、バスボムの『悪意ではなく規則に従った準備』と読み取っていただけたところ。
ハルカに欠落していたのは、善意と悪意でもあるのですね。
からももさんの感想を何度も読んで、手探りだったハルカの輪郭がどんどん浮かび上がってきています。
このように深く読み取っていただけた感想やレビューがいただけたこと、ほんとうに嬉しいなぁと、何度も何度も読み返しています。
レビューもありがとうございます。
ざらついた余韻が残るという言葉、大事に受け取っています。こんな風に、一言で表せない作品が書けたこと、自分の中ですごく大きな意味になっています。
こんなに心にぐっとくる感想とレビューを寄せてくださって、本当にありがとうございました!
への応援コメント
あぁ、なんとも言えない読了感。
「絶対に忘れないからね」という約束は忘れてもいい
という一文が追加される日が目に見えますね。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
読んでくださった方が何か感情を動かしていただけたら、と思って書いたので、「なんとも言えない」という感想、めちゃ嬉しいです。
仔ウサギの記憶を、ハルカはこの先どう扱っていくのか……。主人公ハルカのこの先の行動について、書いた自分でも思い至っていなかったところでした。
コメントをいただけたおかげで気付けて、視野がぐっと広がった感覚があります。ありがとうございます……!