優れたドキュメンタリーというものは、生理的に受け付けないという人が結構いたりする。
なぜかと言えば、それは「剥き出し」であるからだ。美しさも醜さもすべてが何も補正のかからない形で提示されるからだ。
この作品はタイトルの通り、ある女性の死が淡々と記載されているわけだが、個人の人間の、魂だけではなく肉体も含めた数十キロの重みがある。
私はそれを受け止めるのに少し時間を要した。けれども、それはきっと必要なことなのだ。
優れたドキュメンタリーというものは、読む人の胸の底に指紋を残す。作者、ドキュメンタリーの対象となった人、その周りにいる多くの人物の、歴史の指紋を。