この作品は、味方を弱くするという一見役に立たないスキルが、欠点を抱えた仲間たちとの出会いによって新たな価値を持つ、設定の面白さが光るファンタジーだと思います。
主人公レクトは支援職でありながら、能力のせいでパーティを追放されてしまいます。ところが、同じように周囲から見放された元聖女候補セラと出会ったことで、状況が大きく変わり始めます。
特に印象的だったのは、二人が窮地に立たされた場面です。互いに頼れる力がないと思われていたのに、その組み合わせが思いがけない可能性を生み出す展開には、単なる「外れスキルが実は最強」という設定とは違う面白さがあります。
また、人々を救おうとするセラと、それを支えるレクトの関係も心に残りました。大きな力を得ること以上に、誰かの役に立てたという実感が、二人にとって大切な意味を持っているように感じます。
戦闘では能力に制約が残るため、仲間同士の連携にも緊張感があり、軽妙な会話から人物の個性が伝わってくるところも魅力です。
序盤までの紹介となりますが、弱さを抱えた仲間たちが互いの力を認め合い、どう成長していくのか、これからも追いかけて行きたいと思います。
「またハズレスキルか……。」
そう思ってページを開いたんです。
正直、この手のタイトルは毎日のように見ます。
でも編集者って、不思議なもので「またか」と思いながらも、一話だけは読むんですよ。
そして気づくんです。
「あれ、これ続き読んでるな……」って。
『ハズレスキル≪味方ステータス低下≫を最弱たちに使うとなぜか最強パーティが完成しました』は、"ハズレ"の見せ方が上手い。
ただ「実は最強でした」で終わらせず、「どうしてそんな結果になるの?」という興味をちゃんと引っ張ってくれる。
タイトルで読者をつかみ、本編で納得させる。
簡単そうで、これが一番難しいんです。
設定は今どき。
でも、料理の仕方にちゃんと工夫がある。
編集者としては、こういう作品を見ると少し悔しいんですよ。
「この切り口、先に考えられてたか」
って。
結局のところ、テンプレかどうかじゃない。
「テンプレをどう裏切るか」なんですよね