第2話【心躍る初対面】
ついに、ひかりと直接会う日がやってきた。
俺は山梨の実家から車を走らせ、神奈川にある彼女の家まで迎えに向かった。
金曜の夜中に出発し、朝には山梨へと戻ってくる計画だ。
バックミラーを気にしていると、後ろから小柄な女性が歩いてくるのが見えた。
膝丈のスカートに、上品なブラウス。
ひかりだ。
彼女は車の窓ガラスをトントンと軽く叩くと、「コウタロウさん」と満面の笑顔を浮かべてドアを開け、助手席に滑り込んできた。
画面越しにしか見たことがなかったひかりは、想像以上に背が小さく、ウエストの細さが目を引いた。
緊張のせいで直視はできなかったが、黒のロングヘアがよく似合う、流行りのたぬき顔で可愛らしい。
永野芽郁いや筧美和子似かな。
俺は彼女を見た瞬間、緊張のあまり身体が震えるのを感じていた。
車を発進させると、お互いにやっているライブ配信の話題で一気に盛り上がった。
「あいつ、また変なコメントしてたよね」なんて、共通の厄介なリスナーのネタで、ひかりは楽しそうに声を上げて笑う。
高速道路を走り抜け、山梨が近づくにつれて、窓の外は一気に険しい山の風景へと変わっていった。
都会育ちのひかりは、夜の闇に浮かぶ山々を見て「綺麗だね〜、自然がいっぱい!」とはしゃいでいる。
だが、山梨のどんな美しい大自然も、俺の隣で笑うひかりの美しさには到底敵わなかった。
俺は職業柄、周りに女はたくさんいる。正直、セフレだっている。
それなのに、一目見た瞬間から、ひかりのことが愛おしくてたまらなくなっていた。
運転中、ふと助手席に目をやると、レースのブラウスの隙間からかすかに胸の谷間が見えた。
これが恋なのかはまだ分からない。だけど、膨れ上がる衝動を抑え込むのに、俺は必死だった。
夜の二時に出発したものの、道が空いていたこともあって、朝の四時前には目的地に着いてしまいそうだった。
「このまま行くのも早いし、どうしよっか。どこかで仮眠でもとる?」
河口湖の周りをぐるぐるとドライブしながら、俺は思い切って提案してみた。
実は仕事帰りのまま飛び出してきたから、まだ風呂に入っていないのだ。
「あのさ……お風呂入りたいから、ホテルに行ってもいい?」
ひかりは少し悪戯っぽく笑って、釘を刺すように言った。
「私たち、まだ付き合ってないんだからね? お風呂に入って寝るだけだよ」
「……流石に分かってるって」
苦笑いしながらも、俺の心臓はうるさいほど跳ねていた。
結局、少し奮発して、客室露天風呂が付いている高めの部屋を選んでチェックインすることにした。
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