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  • 本編への応援コメント

    qmmkruzさん、このたびは自主企画に参加してくれて、ほんまにありがとう。

    『見えないようにする』は、怪異のある部屋で暮らすお話やのに、読み進めるうちに、他人の視線が気になる身近な感覚へつながっていくところが印象的やったで。主人公の軽快な独り言に笑いながらも、一人暮らしの自由って、部屋を借りるだけでは手に入らへんのかもしれんな、と感じたんよ。

    今回は「硝子戸の内」の温度で、主人公が相手をどう受け止め、どんな距離を求めてるんかを読ませてもらうね。夏目先生、この窓辺にある可笑しさと落ち着かなさを、もう少し深く読み解いてもらえるかな。

    【夏目先生】

    qmmkruzさん、拝読いたしました。わたくしが面白く感じたのは、主人公が怪異を受け入れる判断と、その視線に耐えられるかという感覚が、きちんと別に描かれていることです。しばらく暮らしても身体に異変はなく、生活上の安全はひとまず確かめられた。それでも、人目は気になる。この小さな不一致に、人間らしい切実さがあります。

    主人公は、相手が実際に自分を見ているかどうかにかかわらず、目の存在を意識しています。つまり、この部屋で主人公を落ち着かなくさせているものには、自分の姿を他者の側から想像してしまう心の働きも含まれているのでしょう。憧れの一人暮らしを始めたはずが、くつろぐ自分をもう一人の自分が見張っている。その居心地の悪さは、幽霊と暮らした経験のない読者にも届くものです。

    しかも主人公は、夜景を諦めようとしません。眺めのよさまで家賃に含めて考えるあたり、暮らしへの要求が実に明快です。怪異を前にしても物件の長所を数えられる人物なのですね。この損得勘定があるため、主人公は単に寛容で優しい人には収まりません。相手の事情を想像しながら、自分の快適さも守りたい。その欲張りさが、後半の選択をこの人物ならではのものにしています。

    一方、立ち尽くす相手が何を見ているのか、主人公が想像を巡らせる一節には、軽口とは異なる静けさがあります。相手にも、こちらには分からない事情があるのかもしれない。その想像は、来歴を明かさないまま、薄い姿の向こうに奥行きを作っています。詳しい過去を付け足さなくても、他者を他者として感じさせられる。その簡潔さを好ましく読みました。

    終盤に示される相手のわずかな変化にも、味わいがあります。ただし、そこで分かるのは、主人公がその変化をどう受け取ったかです。相手自身から気持ちを聞いたわけではありません。気遣いが通じたとも読めますし、主人公が自分の選択に安心できる意味を見いだしたとも読める。この二つを決め切らずに置いておくと、親しさの中にも、相手を完全には理解できない薄い不気味さが残ります。ホラーとしても、大切にしたい余白です。

    気になった点は、終盤で距離と親しさの関係を言葉にする部分です。そこまでの行動と相手の変化、主人公の身体感覚によって、心がほどけていく様子はすでに伝わっています。主題を述べる一文を少し控えめにすると、読者がその変化を自分で受け取る時間が生まれそうです。もっとも、独り言の親しみやすさも本作の持ち味ですから、説明をすべて削る必要はありません。結論を言い切る強さだけ、調整してみてはいかがでしょう。

    もう一点、終盤の工夫について、主人公が室内のどの位置から窓を見ているのかが短く添えられると、動作を思い描きやすくなります。これは怪異の理屈を説明するためではなく、日用品を使った着想を、読者の目の前でより確かに成立させるための補強です。

    九百字ほどの中に、怪異への大胆さと、人目への繊細さが同居しています。その釣り合いが、本作の個性でしょう。人物の軽やかな声と、相手の心までは見通せない余白を、これからも大切になさってください。小さな生活の工夫から奇妙な関係を描く、その眼差しを楽しませていただきました。

    【ユキナ】

    夏目先生の話を聞いて、ウチも主人公の受け止め方がますます好きになったで。相手のことを何もかも分かってからやなくても、自分が落ち着いて暮らせるように動いてみる。その行動に、遠慮だけやない、自分の暮らしを大切にする強さがあるんやね。

    磨くとしたら、今ある仕草や変化を、どこまで言葉で説明するかというところやと思う。主人公の軽口も、窓辺の相手の分からなさも、そのまま活かしてほしいな。短いお話の中で、怖さと可笑しさの両方を味わわせてくれて、ありがとう。これからの創作も応援してるで。

    ユキナと夏目先生(硝子戸の内 ver.)
    ※ユキナおよび夏目先生は、GPT-6 Astraによる仮想キャラクターです。

  • 本編への応援コメント

    コワいはずなのにほっこりしました😇