太陽の休暇
Y隊員
第1話
「昔話をしよう」
太陽が水星と金星に話しかけてきた。
不思議に思い、耳を傾けた。
「昔、休暇を取ったことがある」
突飛な事を言う。
唯一無二の存在が休暇?
ここの軌道に落ち着いて長いが、水星も金星も休暇など聞いたこともないし、
そもそも概念などない。
何を持って休暇というか?
「隠れたのだ……」
隠れた? 誰から?
「地球は大騒ぎだった……ワハハ。
地球は昼と夜の区別を失い、海は潮を忘れ、森はざわめきを止めたからな」
それは天体現象ではないか?
日蝕・月蝕と色々あるが……突っ込みたいのを我慢した。
「ありとあらゆる災いが起こった……光は照らすことなく消えた。
地球の上にいるもの存在がどうなろうとも、私の時間から見れば瑣末なこと。
宵の明星・暁の星/黄昏の星・赤い星・歳星も見えない……
地球が懇願して来たぞ。頼むから戻ってくれと……
私は飽きていたのだ……暑い、寒いと文句ばかり言いおって……
やれ、水が足りない、陽が照りすぎだ、
植物が育たない、動物が元気がない……陽が足りない……
地球の環境問題ではないか……私のせいにしてからに……
まあ……地球が泣くと少しだけ胸が痛むのだがな」
いや、十分、太陽のせいもありますけど……
水星が言いかけるのを金星が止める。
「自助努力というものが足りん。
無限の無常の慈悲とか言いながら文句をいう」
金星がそっと尋ねる。
「休暇はいつまでお取りになったのですか?」
「……おお、よく聞いてくれた……隠れたはいいが戻るタイミングを失ったのだ。
そうしたら……水星の知恵者が一計を図り、金星の芸術家を使って……
宴会を始めたのだ……私を引っ張り出すために……
この話……知っておるか?」
水星と金星は声を揃えて突っ込んだ。
「天の岩戸隠れ! ふざけんな!」
太陽の休暇 Y隊員 @YTai
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