7話は本作の方向が見えた気にさせてくれるワクワク感。
歴史を知る者にとって、未来は希望ではなく、ときに避けられない死の予告。それも、相手の運命が見えているならなおのことです。
未来を知る故の葛藤が集約されていて、心に残ります。
相手の三十三年後の死は、まだ遠い。
だから今夜くらいは、月を見て、酒を飲み、名も知らない歌に耳を傾けていたい。
歴史の奔流へ向かう前の、この静かな足場を、これからもゆっくり読み続けたくなります。
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完結によせて、追記です。
長篠の戦い以後。鉄砲の時代に、弓はどこを射るのか。
鉄砲の時代が来て正面から鉄砲と撃ち合う弓は滅びた。だが、雨と夜と山を選ぶ弓は、まだ死なない。
雲八は、新兵器の登場を認めない老兵ではなく弓の任務変更をしていく。
軍事オタクとして、ここがたまらなかった。
古い兵器は、新しい兵器に威力で負ける。
雲八は、弓に敗北を認めさせる。
弓の命だけを残した。
意地を捨てても、弓を生かそうとした男の戦略の物語。