「鮎原さん⋯俺、貴方とキスがしたいです⋯⋯!」
——いや、待って待って待って!🤣
出会ったばかりの後輩から、いきなりそんなことを言われたらどうするのか。
しかも相手は、長身で王子様のような容姿をした一年生・鮫ヶ井。
対する三年生の鮎原は、当然ながら大混乱。
拒む。
逃げる。
警戒する。
……はずなのですが。
この鮫、とにかく強いのです🤣
好きだから会いたい。
好きだから一緒に帰りたい。
好きだから触れたい。
好きだから、もっと知りたい。
鮫ヶ井の「好き」には迷いがありません。
時には、
「そこまでやる!?🤣」
と思うほどの行動力まで発揮しながら、まっすぐ、まっすぐ鮎原へ向かっていく。
その押せ押せぶりと、翻弄され続ける鮎原との掛け合いが楽しくて、何度も笑い、何度もニヤニヤしてしまいました。
けれど、この物語の魅力は、それだけではありません。
読み進めるほどに見えてくるのが、二人それぞれの心です。
鮫ヶ井は、ただ容姿に惹かれて鮎原を追いかけているわけではない。
かつて、自分が不安で動けなくなっていた時。
鮎原から差し出された小さな優しさが、彼にとっては忘れられないほど大きなものになっていた。
一方の鮎原も、ただ「押しに弱い先輩」ではありません。
口では拒みながら、
呆れながら、
時には文句まで言いながら——
いつの間にか鮫ヶ井を待たせることを気にしたり、心配したり、その頑張りに言葉を返したりするようになっていく。
本人さえ、まだ自分の心をうまく説明できていない。
だからこそ、その僅かな変化がたまらなく愛おしいのです。
そして物語が進むにつれて、鮎原の中にある、まだ言葉になっていない何かも少しずつ見えてきます。
だからこそ、鮫ヶ井が何度もまっすぐに届ける「好き」という言葉が、ただ甘いだけではなく、少しずつ違う重みを持って響いてくるのです。
鮫ヶ井は、鮎原のことをすべて知っているわけではありません。
それでも彼は、惜しげもなく想いを伝え続けます。
あなたが好きだ。
あなたに会いたい。
もっとあなたを知りたい、と。
身体の距離だけを見れば、最初から驚くほど近い二人。
けれど面白いことに——
心の距離は、ちゃんと少しずつ縮まっている。
私は、そこがとても好きです。
ぐいぐい迫る鮫ヶ井に笑っていたはずなのに、
気づけば鮎原の小さな表情の変化や、何気ない一言まで追いかけてしまう。
そして二人を取り巻く人物たちが加わることで、物語は少しずつ新しい表情を見せ始めます。
まだ連載途中。
だからこそ今、
この鮫は、どこまで鮎に溺れていくのか。
そして——
追われているはずの鮎の心は、どこへ向かっていくのか。
続きを見届けたくて仕方ありません。
甘くて、可愛くて、時々笑えて。
それなのに、ふと心の柔らかいところに触れてくる。
タイトル『鮎に溺れる鮫心』の意味を噛みしめながら、ぜひ二人の恋を追いかけてみてください。
きっとあなたも、気づけばこの鮫と鮎から目が離せなくなっています。