嵐の島

@nma000

第1話

この島で何があったのか。誰も語らないのなら、、もう終わりにすればよいのではないか。



「なんか面白い記事のネタありますかね。千舟島の取材とかどうですか、春野さん。」

「あの島なら前に行ったよ。別に面白いものは何もなかった。人がいなさすぎるせいで復興が全く進んでいないし。お前の場合は船酔いして帰るだけだろ。」

後輩の槙原が何か言い返そうとしてきたので、一旦コーヒーを買いに机を離れた。自販機まで行き、コーヒーを買った。窓から外を見ると周囲のビルから点々と明かりが見える。残業か、大変だな。まあ俺もだが、と他人事のようにコーヒーを飲む。最近、まともな記事を全く書けていないせいで編集長から面白いネタが見つかってから帰るようにと言いつけられてしまったのである。槙原はそれに付き合ってくれている。いい奴だな。少し申し訳ない気がしてきたので、槙原にコーヒーを買って戻ることにした。

「春野さん。私は船酔いしないタイプですから。」と机に戻って早々、槙原に言われた。まだそのこと気にしてたのか。これが始まるとめんどくさいので、気を逸らすためにコーヒーを渡した。

「あ、ありがとうございます。」

「そろそろ帰るぞ。流石に眠い。」

「えー。じゃあネタどうするんですかぁ。明日、絶対編集長に何か言われますよ。」とあくびまじりに言ってくる。お前も眠いんか。

「もう千舟島でいいんじゃないか。あれで記事書いても別に面白くないだろうけど。」

「いいんじゃないですか。私にも手伝わせて下さいよ。一度行ってみたいと思ってたんで。」

やたら千舟島を推してくると思ったが、槙原が行きたいだけだったのか。悪い気はしなかったので何も言わずにいた。断らなければ勝手についてくるだろ。

「電気消せ。帰るぞ。」

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