6年前に遺された1枚のDVDをきっかけに動き出す、不器用な高校生たちの物語。
「霧島いつか」という少女の過去を掘り下げるミステリとしての面白さはもちろん、セリフひとつひとつの言葉選びや、対話のなかで暴かれていく「人間の二面性」の描き方が非常に秀逸です。
周囲の無神経な噂話に流されない村瀬の聡明さ、そして他者の孤独を決して置いていかない晴光の真っ直ぐな強さ。彼らの瑞々しい感性が、物語の重苦しい謎を爽やかに塗り替えていきます。
感情論だけで突き進むのではなく、散りばめられた違和感を拾い上げていくロジックも綺麗に組まれており、ミステリとしての読み応えは抜群です。
過去の「いつか」と、現代の「とわ(永久)」。二つの時間が交錯したとき、どんな結末を迎えるのか……これからの展開が見逃せない一作です!